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宮城県
復興取材レポート

NOW IS.防災 フロントライン Vol.7

これまでの備蓄食のイメージを覆す備蓄ゼリー。

■check! 01/水がなくても飲み込みやすい備蓄食「LIFE STOCK」

おいしさ、賞味期限、柔らかさ。妥協せずに試行錯誤を繰り返し、誕生したゼリーです。

東日本大震災直後、飲み水が十分にない環境のなか、避難所ではさまざまな備蓄食が配られました。乾パン、アルファ米、クラッカー、おにぎり。健康な大人にとっては問題のない食べ物ですが、飲み込む力が弱っている高齢者、重度の身体障がい者、アレルギーを持っている人にとっては摂取しにくいという問題がありました。

そのような人々にも安心して食べてもらえるようにと開発されたのが備蓄ゼリー「LIFE STOCK」。飲み込みやすいバランスタイプは水分量72%。カロリー控えめで、栄養バランスに配慮しています。

エナジータイプは、バタバタしがちな避難生活でも短時間でエネルギーを摂取でき、さらに、小麦や卵など27品目のアレルゲンを使用していないため、食物アレルギーの人も安心。

また、備蓄食として長期間保存できるよう「賞味期限5年半」を実現しました。

■check! 02/公的避難所や介護施設からの問い合わせも続々。

食べた後はくるくる丸めて捨てられるので、避難所のゴミの減量にもつながります。

「LIFE STOCK」を開発したのは、多賀城市を拠点に活動する株式会社ワンテーブル。震災直後の避難所の様子を見て、食べやすい備蓄食の必要性を感じたと言います。「自分で準備する備蓄食なら自分の好きなものを準備すればいいのですが、東日本大震災の津波のように持ち出せない状況になることもあります。だからこそ、公的な避難所にできるだけ多くの方が摂取できる食べ物が置いてある必要があります。『LIFE STOCK』は自治体の避難所や病院、介護施設などに使っていただけるような備蓄食を目指しています」と広報担当の下山さんは話します。

口から食べるだけでなく、チューブで栄養を摂取している「胃ろう」などの経管栄養の人も摂取できた実績もあります。

味は「普通のゼリーのように、おいしいですよ」と下山さん。日常生活で慣れ親しんでいる味であることが、避難生活では特に大切なことだと考えているそうです。

株式会社ワンテーブルと宇宙航空研究開発機構(JAXA)が様々なパートナーと共に、「防災×宇宙」の視点から新たなプロジェクトを進めています。「LIFE STOCK」は将来的には、宇宙食としての展開も視野に入れています。被災地生まれの「LIFE STOCK」は備蓄食のイメージを覆す可能性を秘めていると言えるかもしれません。

PROFILE
株式会社ワンテーブル

東日本大震災をきっかけに設立したベンチャーカンパニーで、多賀城市を拠点に活動。6次産業の振興を目指した名取市の商業施設「ロクファーム アタラタ」や、七ヶ浜のホテルリゾート『シチノリゾート』などの運営等を手掛ける。