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宮城県
復興取材レポート

NOW IS.防災 フロントライン Vol.4

防災・減災はゲーム感覚で学ぶ時代

■check! 01/防災に、圧倒的な正解はない。教育しにくい分野に踏み込む。

分かりやすくするために、カードはピクトグラムで描かれています。

防災教育というと、学校の避難訓練を思い出す人も多いのではないでしょうか。近年、そのイメージが大きく変わろうとしています。そのひとつが、「減災アクションカードゲーム」。東北大学の学生と、災害と教育を研究する久利先生が開発しました。

「減災アクションカードゲーム」は、
①災害時の行動についての問題文を読む、②答えの行動を示す絵札を3秒以内にとる、③その行動について30秒で説明する、というシンプルなルールのゲームです。

「とっさの判断を、自分で考えて見いだす練習に活用してほしいと思っています」と久利先生。
「災害は、訓練と同じ場面で起きるとは限りません。いつでも身を守る行動をとれる教育が必要なのですが、これは、とっても教えるのが難しい。どうやったらみんなで考えられるだろう、と模索してたどり着いたのがこのゲームでした」。

■check! 02/「まず身を守る」というメッセージを子どもや外国人にも、伝えるために。

カードを使って、海外の方へ向けての実践も行われています。

苦心したのは、問題文の選定だと言います。
「状況を正確に表そうとすると、問題文が長くなり、ゲームが複雑になる。防災を考える最初のツールとして、シンプルであることを大切にしました」。

まずは自分の身を守る、というシンプルなメッセージを伝えることに重点をおいた結果、日本はもちろん、海外にも広がりを見せています。

「はじめは県内の小学校などを中心にスタートしましたが、徐々に手を離れ、全国に広がり始めました。指導する側に対してのマニュアルもウェブサイトで公開しています。また、カードゲームは絵が基本なので、国境を越えて理解されやすい。英語版の問題文を作成したところ、東北大学の留学生を通して、各国で使っていただいています」と久利先生。

防災研修に訪れた海外の方が購入し持ち帰った例も。
「身を隠す、走って逃げるなど、カードが表す状況がシンプルなので、住環境や教育環境に関わらずに使える、と話していました」。

今後は「地震・津波編」だけでなく、「気象災害編」も広めていく予定とのこと。万人が楽しめるカードゲームが、人々の柔軟な防災・減災行動を養っていきます。

PROFILE
久利 美和(くり みわ)先生

筑波大学大学院地球科学研究科修了。博士(理学)。 防災科学技術研究所、筑波大学VBL、地質調査所(現:地質調査総合センター)、東北大学リーディング大学院などを経て、2019年度福岡管区気象台に入職。