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宮城県
復興取材レポート

NOW IS.防災 フロントライン Vol.21

話し合いを促す避難所初動運営キット

■check! 01/災害時に混乱はつきもの。避難所の初動対応がその後の明暗を分ける

避難所開設・運営における混乱は、「災害大国」日本で常に向き合わなければならない課題です。
特に、早い段階で避難者・要支援者の数を把握することが、スムーズな二次的支援への移行に欠かせないといいます。

地域防災を研究する熊本大学の竹内裕希子准教授は、平成28年熊本地震の避難所運営経験者への調査をもとに、標識や腕章、文房具など25点をまとめた「避難所初動運営キット」を開発。
「これは、避難所開設に最低限必要なものを『完成度8割』の状態でまとめたキットです。地域や施設の実情に合わせて、必要なものを話し合う足がかりにしてほしいです」と話します。

■check! 02/いざという時のことを地域で話し合う当事者意識が大切

調査を重ね、防災の知識や避難所運営者の意欲だけでは避難所を円滑に運営できるとは限らず、「場づくり」「人の把握」「ルールづくり」を通じて事前の情報共有を行う大切さも分かってきました。

「災害が起きてから急に意思疎通がうまくいくことはありません。情報共有を通じて信頼が築かれます」。

避難所運営に関わった、あるまちづくり協議会が地元の祭り用に文房具一式をそろえており、避難所の運営に役立ったことなどを参考に、初動対応に必要なものをピックアップしています。

「避難所となる学校の先生方は児童・生徒の安否確認や学校再開準備などに注力することが重要です。地域のことは地域の方が一番知っています。避難所を行政や学校任せにせず、地域住民が主体的に運営することが大切です。キットは1つの避難所に1つあればいいので、何が足りないかな? と一度検討してほしいです」。

令和2年7月豪雨では熊本県芦北町で活用され、避難所の迅速な運営に貢献したと町の担当者から報告がありました。

「事前に地域で話し合いをしておくと課題の少ない運営につながります。そのきっかけにぜひ」。

PROFILE
竹内 裕希子(たけうち ゆきこ)さん

熊本大学大学院先端科学研究部准教授。地理学、リスクマネジメントの視点から地域防災・防災教育を研究。関東大震災を経験した祖父の教えから、通学や日常生活でも防災を意識しながら育った。熊本地震の避難所のヒアリング経験から、初動に必要なものを厳選した「避難所初動運営キット」を開発した。