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宮城県
復興取材レポート

NOW IS.防災 フロントライン Vol.19

ノートで始める母子避難の備え

■check! 01/避難に必要な重要事項をまとめておくことが母子の健康を守る

妊産婦や乳児は災害時のストレスや医療ケア不足により体調が急変するリスクが高くなります。昨今はコロナ禍で在宅避難も視野に入れる必要があり、適切なケアを受けられる情報を得ることがますます重要になっています。

自らも6児の母である吉田穂波さんは、幼子を抱えながらも東日本大震災の被災地支援に奔走しました。子の夜泣きを負い目に感じたり、授乳を躊躇したりする妊産婦の声を受け、いざという時に使える「あかちゃんとママを守る防災ノート」を作成・発行しています。

ノートは書き込み式で避難ルートの確認や必要なもののリストアップが可能で、健康保険証の写しなども貼り付けることができます。被災時には医療者などに見せることでそのまま健康状態を伝えられるほか、避難生活に必要な知識も書かれているので、ガイドとしても活用できます。

「本来、私は避難を呼びかける立場ですが、2019年の大雨のとき自宅にいて子どもを抱え、いざ災害の当事者になると恐怖や遠慮、避難所の状況が分からないことへの不安などでなかなか動けませんでした。このノートを妊産婦が困った時の道しるべとして活用してもらえれば」。

■check! 02/頼むことは信頼の証
ケアが必要な人こそ助けられ上手になろう

妊産婦の状況をきちんと把握し支援につなげるために、地域の連携や母子避難所の開設に力を入れている吉田さん。弱い立場になりがちな時こそ、助けを快く受け止める力として「受援力」が大切だといいます。

「助けを求めることは相手への信頼の証だと考えましょう。支援する側は頼られてうれしいものです。助けてと言える関係は社会にとってもプラスです」。自分を責めずに、助けられ上手になろうと呼びかけます。

妊娠中であれば、災害時に出産が重なる可能性もあります。吉田さんは、「地域の妊産婦支援に『防災』の要素が加われば、支援の体制が有機的につながる」と期待を込めます。

災害時の母子ケアに関するツールは下記より確認できます。
https://honami-yoshida.jimdofree.com

PROFILE
吉田 穂波さん(よしだ ほなみ)さん

神奈川県立保健福祉大学院教授。医師、医学博士。子育てしながらハーバード大学へ留学し、公衆衛生学修士号を取得。東日本大震災発生後は現地で活動を行い、被災時の母子支援の課題について調査・報告した。著書に「『時間がない』から、なんでもできる!」など。