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宮城県
復興取材レポート

NOW IS.防災 フロントライン Vol.10

災害時の安心安全なトイレを開発

■check! 01/官民が協力して、被災地の健康被害を防ぐ。

「おりひめトイレ」には、流水防音装置や換気ファンも設置されています。におわず、広々とした安心のトイレ空間は、多くの人が快適に使用することができます。

東日本大震災では、各家庭、行政においてさまざまな問題が浮き彫りになりました。
その中でも、被災者の生活に直結し、深刻な問題となったのがトイレの問題。

避難所となった公共施設のトイレでは水が流れず、汚物があふれ、多くの人がトイレの利用を控えたために健康被害も起こるなど、衛生面、健康面で深刻な状況を引き起こしました。

その状況を受け、積水ハウス株式会社(本社:大阪市北区)とTOTO株式会社(本社:福岡県北九州市)、そして仙台市が協働し、女性や子どもにもやさしい移動式仮設トイレ「おりひめトイレ」を2015年に開発しました。

積水ハウス株式会社の女性社員だけでなく、仙台市内の女性デザイナーも開発メンバーに加わり、女性らしい優しい曲面の外観と清潔で美しい内装デザインを採用。また、安全、安心、快適に利用できるよう、照明や防犯ベルの設置や、ゆとりある室内にはベビーチェア、荷物置き等も配置されています。

また、ドアを開けた際にトイレの中が丸見えにならないように配慮され、TOTOの施設で空間検証を行ったそうです。

■check! 02/今後広がりを見せる快適トイレの需要。

外観もかわいらしい「おりひめトイレ」。2015年に仙台で行われた「第3回国連防災世界会議」スタディツアー会場に設置され、世界中から訪れた出席者にも紹介されました。

積水ハウス株式会社の広報企画室によると、「これまで住宅で培ってきたノウハウを活かせないかということで私たちも参加させていただきました。開発にあたっては、地元の協力者を通してヒアリングを行ったほか、実際に使っていただいてのフィードバックもいただきました」とのこと。

開発の翌年に発生した熊本地震では、実際に被災地への貸出しを行い「『従来の仮設トイレよりも格段に使い心地がいい。家のトイレのようで、心の支えになりました』との声を頂戴しました」(広報企画室)といいます。

さらに、「おりひめトイレ」リリースのニュースを見た佐賀県からは購入の申し込みがあったそうで、機能性を変えずに、従来のものよりもコンパクトで運びやすく、ハンドリングのいい改良タイプのものを販売したそうです。広報企画室では「運用面での問題をクリアして、今後もさまざまな方にお使いいただけたらと思います」と話します。

災害大国日本で、このトイレの需要はますます高まりそうです。

PROFILE
積水ハウス株式会社

1960年設立。自由設計と先進の技術による住まいで、お客様の理想の暮らしを実現。住宅施工から賃貸住宅、マンションなど、街づくりや都市計画など、住環境に貢献する事業を展開している。