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宮城県
復興取材レポート

NOW IS.対談 in 亘理
MEGUMIさん×株式会社WATALIS 引地恵さん

感謝を包む「FUGURO」がつないだ
たくさんの出会いと記憶。

モダンに生まれ変わった 埋もれかけた文化。

MEGUMIさん(以下MEGUMI)ー引地さんがWATALISを始めたきっかけは何ですか?

引地恵さん(以下引地)ー震災後、地元の人に「亘理に暮らす人達は、贈り物をする時に着物の残布で仕立てた袋にお米を入れて渡していたんだよ」という話を聞いたんです。その巾着袋を「ふぐろ」と呼んでいたって。この「ふぐろ」を、支援してくれた皆さまに渡したいなと思ったのがきっかけでした。最初はボランティアでやっていましたが、取り組みが大きくなってきたので会社を立ち上げました。巾着袋や雑貨をつくって販売しています。

MEGUMIーかわいい!

引地ー古い着物を使っているんですよ。昔はもっと素朴なつくりだったんですが、飾りをつけたりして、「FUGURO」として現代風にアレンジしました。

MEGUMIーこれ、本物の着物なんですか。手作り?

引地ーはい。地元の人が全部手作業でつくっています。今は、40~60代の女性、10人くらいが製作に携わっています。

MEGUMIーこれ、本当にかわいい。震災は悲しい出来事だったけど、こういう文化を知るきっかけになって、しかもそれが新しく生まれ変わったというのは、素晴らしいことですよね。

引地ーありがとうございます。最近では、スイスの時計ブランド「ジラール・ペルゴ」とコラボさせていただいたり、D20 Conference Tokyo 2019や宮城県知事が海外に表敬訪問した際のおみやげに採用いただいたり、身に余るご縁もいただいています。

ゼロからスタートする難しさと面白さ。

MEGUMIーすごい!続けるためにはチャレンジし続けないと、ですもんね。私も今、いろいろな方とコラボするお仕事をしています。作り手の方と一緒に自分の頭の中を具現化するのは、とっても面白いですよね。新しいことを始めるときって、「本当に大丈夫なの?」って言われることが多いんだけど、実際かたちになると、すごく喜んでもらえる。

引地ーそうなんですよね。モノが出来上がってくると、応援してくれる人も増えてくる。最初はあまりに理解されなくて、自分が間違っているのかな、って思っちゃうんですが(笑)

MEGUMIーそうですよね(笑)。でも、形になってないものの不安は、みんなある。しかも〝女性が〟ってなると、みんな得体の知れないものを見るような顔になる(笑)

引地ーそんななか、分かってくれる人がいるから、この人のために頑張らないとな、と思うんです。アクションを起こすのは勇気がいるけど、実際に動くと、ご縁が生まれるんですよ。震災前は、「私、こういう人としかお話できない」って無意識にセーブしていたんですが、実際に行動したら、仲良くなれるんです。人の素敵さに触れることができた。震災で、健康で元気なことって当たり前じゃないと気が付きました。だからこそ、大変な時に応援してくれた人や、新しく出会った人たちを大切にしようと思ったんです。

MEGUMIーすごく分かる。

引地ーでも、こういうことって、時間がたつと忘れちゃうから。WATALISを続けることで忘れないでいたいと思うんです。作る側も買ってくれる人も。

MEGUMIーそうですね。人生長くないから、自分を信じて、思いついたことを行動するって大事なんじゃないかな。みんな震災で、人生って何かを考えたと思うんです。動いて、出会って、小さな豊かさを積み上げることが、豊かな人生につながるんじゃないかな。とっても深い話ができて、いい時間でした!ありがとうございました!

(文責・沼田佐和子)


MEGUMI(めぐみ)
タレント、女優。岡山県出身。10歳の男の子の母でもある。東日本大震災後は、知人の美容会社とともに女性に化粧品を届ける支援を行った。その経験をもとに、西日本豪雨で被災した地元にも継続して支援を行っている。


引地恵(ひきち めぐみ)
株式会社WATALIS 代表取締役。宮城県亘理町生まれ。震災前は、亘理町役場に勤務。2013年一般社団法人WATALIS(ワタリス)を設立し、2015年株式会社に。「FUGURO」はウェブサイトや百貨店でも販売中。