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復興取材レポート

【語り部が本当に語りたいこと】一般社団法人 気仙沼観光コンベンション協会 橋本茂善さん

被災して知る、かけ替えのない『日常』
誰もが信じられない規模の地震、津波が押し寄せた、3.11東日本大震災から7年9ヵ月が過ぎました。気仙沼は、地震、津波、火災の3つの災害を連動して受け、約1,300人の死者・行方不明者が発生しました。リアス海岸に位置する当地は、平地が少なく魚市場周辺等は埋め立て地のため、最大74センチの地盤沈下が起き、1,200万立方㍍の盛り土が必要になり、復興が大幅に遅れました。そのうえ、1万人近い人口の流出が発生し、今後の地域経済への影響が危惧されています。

私は今、震災を伝える語り部をしていますが、震災直後は、被災状況を伝える組織はなく、被災地支援ボランティア等は被災地の生の声を聞けないで帰ることが多くありました。そこで、1年半後に、市と当協会で組織の立ち上げを決め、消防団員、寿司屋、住職、避難所責任者、元消防長、元危機管理職など40数名で語り部を始めました。

当初は、「被災地が大変な時期に行ってもいいのか」と聞かれましたが、「現地に来て、災害の怖さ、現実を肌で感じ、命の大切さを知って欲しい。そして、被災者を励ましてください」と伝えています。人が動けば、地域も活性化します。

年々、風化が進んでいます。これから伝承すべきことは、①自然の脅威(地震、津波、大規模火災、集中豪雨などへの備え)を知り、減災を探る。②命の尊さ(助かる命が無駄にされた現実。避難訓練の重要さ)。③生死の分岐点は危機意識の有無にあること、などです。

一番の願いは、①悲劇を繰り返さないため(津波死ゼロ)、被災した遺構を保存する(百聞は一見に如かず)。②現場で何が起きたか、事実(エピソード)を伝え、現実を五感で感じてもらう(災害が他人事でなく「自分事」として自覚出来る)。③震災で、普通の暮らしが突如寸断される現実、人や家などの財産が突如消える怖さ(『普通の日常』が如何にかけがえのないものであるか)を知って欲しいのです。

海底だけでなく各地で地震が発生し、異常気象による集中豪雨などが発生しています。災害は何処でも発生する恐れがあり、明日は我が身に降りかかるかもしれません。津波を防ぐため1兆円をかけて三陸沿岸総延長400kmに及ぶ防潮堤が築かれますが、まずは安全な場所への避難を勧めています。
今後も、被災地の課題(被災地の今)を伝え、命を守り、減災について共に考える活動を続けたいと思っています。

一般社団法人 気仙沼観光コンベンション協会震災復興語り部部会
橋本茂善
http://kesennuma-kanko.jp/