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復興取材レポート

【NOWIS.復興インタビュー】せんだいメディアテーク「3がつ11にちをわすれないためにセンター」

震災後からずっと震災にまつわる記録をアーカイブし続けている取り組みがあります。それは、せんだいメディアテークの「3がつ11にちをわすれないためにセンター」(略称:わすれン!)。復旧・復興のプロセスを残そうとする人びとの活動を「3がつ11にちをわすれないためにセンター」がプラットフォームになって支えています。
今回はせんだいメディアテーク 企画・活動支援室 田中千秋さんにお話を伺いました。

メディアテークにできること
「もともとメディアテークでは、仙台の街並みの古い写真などをデジタルアーカイブしようという試みが震災前からあったんですよ。震災が起きて『せんだいメディアテークでできることをやろう』となった時に、もともとやろうとしていたアイディアを生かして、震災に関する記録のアーカイブができるのではないかとなりました。また、メディアテークは市民の創造活動の場としての機能を備えた生涯学習施設ということもあり、市民や専門家、アーティストなどと一緒に活動できるプラットフォームとして、「わすれン!」が始まりました」と田中さん。

わすれン!では、震災にまつわる記録を直接集めるのではなく、記録をしようとする意志をもった人に参加者になってもらうよう呼びかけました。参加者には、ビデオカメラやパソコン、打合せスペースなどの貸出を行っています。このようなメディアを利用して市民が記録した写真や映像、文章などを、スタッフの手によってWEBで発信したり、「アーカイヴィークル」という移動式資料室で紹介したりしています。

アーカイヴィークルの引き出しの中はレコード型の記録レポートやDVD、ポスターサイズの資料がずらり。レコード屋さんに行った気分で、自分の手で資料に触れながら震災に関する記録を見ることができます。このアーカイヴィークル、時には屋外にも出店することも。なかなか普段資料に触れることがない方の目に止めてもらうための機会づくりも行っているそうです。

発信していくアーカイブ
アーカイブされた記録は、さまざまな機会に、発信され共有されていきます。

例えば「星空と路」というイベントでは、参加者が記録した映像の上映や、テキスト、写真などの展示を行っています。また、対話の場を設けて多くの人の意見に耳を傾けて、考えていく試みも行っています。

対話の場は、黒板型の家具である「考えるテーブル」などで実施されます。ディスカッションではなく、あくまで「聴く、尊重する」場です。

そのほか、決めた位置を定期的に記録して変化を残す定点観測の手法を用いた写真撮影や、アートの視点から記録に取り組まれている方もいらっしゃいます。

わすれン!でやってみよう
「自分の関心のあることを残したい、伝えたい、発信したい、という意志のある方々が参加されています。これまでの参加者数は、約190人。コンスタントに活動されているのは一部の方々ですが、震災から8年が経過した今だから改めて記録をしようとしている参加者の方もいます。その意志は本当にすごいと思いますし、私たちスタッフも大事に受け止めていきたいと考えています」と田中さん。

「震災にまつわる記録を残したいという方やアーカイブされている記録を利活用したい、という方は、ぜひ『わすれン!』に参加者登録して活動を始めて欲しいと思っています」。

記録をWEBやライブラリにアーカイブしていくという試みは、現代的な手法を用いたある意味、「メディアによる語り部」といえます。

メディアテークに足を運んでその現場を体験してください。


田中千秋
せんだいメディアテーク 企画・活動支援室職員。
「3がつ11にちをわすれないためにセンター」担当スタッフ。

 

執筆・ライター 昆野沙耶