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復興取材レポート

【復興インタビュー】冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク

子どもたちが自由にのびのびと過ごせる地域づくりに取り組む「冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク」。指定管理者として運営している仙台市若林区井土の「海岸公園冒険広場」で、自由な遊びを促し見守る“プレーリーダー”を務める根本暁生さんにお話を伺いました。

遊び場づくりから、地域づくりへ。
宮城県内で遊び場づくりに取り組む団体が連携し、2002年に設立された「冒険あそび場-せんだい・みやぎ連絡会―」。2005年に名称を「冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク」としてNPO法人化しました。2005年7月からは、指定管理者として「海岸公園冒険広場」を運営。以来、「あそぶ」「つなぐ」「そだつ」をテーマに、子どもの遊び場づくりをベースとした豊かな地域づくりに取り組んでいます。
「もともと、子どもたちがのびのびと遊べる場所をつくることが目指すところですが、それは必然的に地域づくりにもつながっていきました。子どもが自由に遊べるかを左右するのは、何よりもまわりの大人の見守り方です。子ども時代に地域の中で思いっきり遊んだ経験を持つ大人はたくさんいるはずですが、それを今の子たちにはさせようとしません。大人たちも自分の子ども時代を思い出しながら、遊びを通して今の子どもたちと出会い交流してほしいと思います。のびのび遊べる環境づくりには、地域の大人の力がとても大きいのです」と根本さんは話します。

活動の中心となっているのが「冒険あそび場」。これは、子どもたちの“やってみたい!”という気持ちを叶える場所です。木に登ったり、火を使ったり、どろんこ遊びをしたり…。大人たちの役割は、それらを危ない!汚い!と禁止するのではなく、挑戦を見守り、一緒に考えること。ワクワクするような遊びを通して、子どもたちの成長を支えてきました。
しかし、その拠点となっていた「海岸公園冒険広場」が、東日本大震災で大きな被害を受け、休園を余儀なくされます。家や大切な人を失った子どもたちも多い中、「冒険あそび場」が担う役割も変化しました。「遊びを通して子どもたちの育ちを支えていく」ことに加えて、「不安やストレスを抱える子どもたちの心のケア」にも取り組むことになったのです。根本さんたちは、「海岸公園冒険広場」再開の見込みが立たない中、仙台市若林区を中心に“出張あそび場”の活動をスタート。世代をこえたコミュニティづくりなどの役割も加えながら、遊び場づくりを通じて、被災地域復興への取り組みを続けました。
そして2018年7月、約7年間の休園を経て、「海岸公園冒険広場」が再開。震災後に始めた、まちの中の“出張あそび場”の活動も継続しながら、子どもたちの笑顔があふれる場所をつくり続けています。
「震災発生直後は子どもたちの心のケアという役割にも力を入れてきましたが、子どもを取り巻く環境の課題は、そもそも被災地域だけの問題ではありません。自由に遊ぶ場所が必要だったり、いろいろな世代が出会う場所が必要なのは、みんな同じ。誰もが気軽に遊びに来られる場所をつくりたいと思っています」。

子どもたちに、もっと自由と責任を。
「冒険あそび場」の合言葉は“自分の責任で自由に遊ぶ”。そこに込められた思いは、決して“自己責任で遊びましょう”ということではありません。
「子どもたちに、自由を返してあげたい。伝えたいのは、やってみたいと思ったら挑戦してみなよ、失敗するかもしれないけど、実際にやってみることで分かることもあるってこと。いろいろなことを、肌感覚で学んでいく場所にしていきたいですね」と根本さん。
かつては子どもたちの生活そのものだった遊び。思い切り体を動かしたり、自分で遊びを考えたり、仲間と一緒に遊ぶことで得られることも多かったはず。「冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク」は、失われかけている遊びを取り戻し、子どもたちの“生きる力”を育むため、地域の大人たちとともに子どもたちを見守り続けています。

 

冒険あそび場-せんだい・みやぎネットワーク
http://www.bouken-asobiba-net.com/