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復興取材レポート

<特集> コロナ時代を乗り越える 東日本大震災の知見
CASE2 非常時のメンタルヘルス

新型コロナウイルス感染症は、様々な課題を浮き彫りにしています。
今回は、フリーアナウンサーの佐藤育美さんをナビゲーターに、
これからの社会で活きる東日本大震災の知見を紹介します。

CASE2
非常時のメンタルヘルス

不安やイライラは当たり前の反応。
リラックスできる方法を見つけて

心の健康を保つため、
人との会話や交流を大切に。

人の姿が消えた駅、不安そうな人々の表情。街は、東日本大震災後を思い起こさせるようなどんよりとした雰囲気に包まれました。
いつもと違う生活やウイルスへの恐怖で、不安を感じたり、精神が落ち込んだりした時、私たちはどう対処すればいいのでしょうか。
東北大学大学院医学系研究科の富田博秋教授に話を聞きました。

「生活や経済に大きな負担や損害をもたらしたりする現象は、心に大きな負の影響をもたらします。不安を感じたり、イライラしたりした人も多いと思いますが、このような状況下では、自然な反応です。自分を責めずに、心の反応を受け入れることが大事です」。
気持ちをリラックスさせ、心の健康を保つために、有効な方法があると言います。

「人との会話や交流はとても大切です。相談をして、困りごとを共有することは、心に良い影響を与えます」。東日本大震災後も、コミュニティが崩壊し、仮設住宅などで人との交流が妨げられるケースがありました。富田教授が被災した人を対象に毎年行ってきた健康調査の結果、人との交流機会が多い人ほど心の健康を保ちやすいということが分かったそうです。

「イライラした時のルーティンをつくっておくのもいいですね。腹式呼吸をする、本棚を整理する、など決めておくといいでしょう」。

第二波、第三波の流行が懸念される中、私たちはどんな心構えをすればいいのでしょうか。
「適度な運動と睡眠で体の健康を保つのが大切ですね。その上で、常に心構えをしておくのが重要だと思います。コロナ禍は、今後どういう状況になるのか分かりません。見通しが立たないと不安定になるという例は、震災後もよく見受けられました。ある程度長期的な対処が必要になるという心構えをし、備え、計画しておくことが大切でしょう」。


東北大学大学院医学系研究科(東北大学災害科学国際研究所兼務)
富田 博秋(とみた ひろあき)教授

1995年岡山大学大学院医学研究科修了。カリフォルニア大学アーバイン校医学部精神医学講座、生理学講座などを経て、東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野教授。災害科学国際研究所、東北メディカル・メガバンク機構を兼任。東日本大震災後は、被災地の精神保健支援活動に従事した。