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宮城県
復興取材レポート

宮城から、ありがとう。
SUPPORT FILE No.5「MASKAR(マスカー)」

全国各地、世界各国から寄せられた、たくさんの支援。
宮城の復興は、そんな数多の想いで成し遂げられています。

SUPPORT FILE No.5
「MASKAR」

From カタール To 女川町

MASKARの名は、カタールの伝統的な漁法に由来しています。1階は荷捌き室、2階に冷凍冷蔵施設、3階に避難場所を設け、津波が来た際は、1階部分のパネルが外れて津波を受け流し、建物を支える柱だけが残る構造になっています。

宮城県の東部、牡鹿半島の基部に位置している女川町。古くから良港として栄え、サンマ漁では日本有数の水揚げ量を誇り、銀鮭や牡蠣、ホタテ、ほやなどの養殖業も盛んな水産業のまちです。東日本大震災の津波で大きな被害を受け、瓦礫(がれき)を撤去した港の更地にいち早く建設されたのが、「MASKAR」でした。

「MASKAR」は、水揚げされた水産物や加工した水産加工品を保存するための冷凍冷蔵施設です。秋のサンマ漁に間に合わせるため、2012年4月末に工事を着工し、10月15日に操業開始という驚異的なスピードで建設されました。

冷蔵室(マイナス30℃)は約6,000トンの貯蔵能力を誇ります。

「『女川は必ず復興する』という強いメッセージを発信したかった」と話すのは、MASKARを運営する女川魚市場買受人協同組合の理事長、石森洋悦(いしもり ようえつ)さん(以下、石森さん)です。「基幹産業である水産業の再開をアピールすることで、MASKARは復興のシンボルになりました」と石森さんは当時を振り返ります。

女川魚市場買受人協同組合の理事長、石森洋悦さん。今もカタールと定期的に連絡を取るなど、信頼関係を築いています。

建設を支援してくれたのは、世界有数の天然ガス産出国であるカタールです。経済発展を遂げるきっかけとなったガス開発を、日本がかつて支援しており、支援への感謝の気持ちから、震災直後に「カタールフレンド基金」が設立され、20億円をMASKARの建設の際に支援してくれました。

「現在のMASKARは復興のシンボルとしての役割を終え、施設を活かすための様々な取組をしている段階です。魚市場から冷凍冷蔵庫、加工場、小売店までエリア全体が高度な衛生基準を満たし、まち全体で高価値の商品を生み出しています。女川の商品が世界的なブランドとなり、活気あふれるまちにできたら」。

石森さんたちの想いを受け、建設を担当したのは大成建設株式会社。MASKARは、2013年度グッドデザイン賞を受賞しました。