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宮城県
復興取材レポート

【気仙沼大島 探訪】
復興は音楽にも似ている。人間のパワーが動かすこと。

>>「NOW IS.対談 in 気仙沼 大島 石崎ひゅーいさん × 合同会社野杜海(のどか) 小山春幸さん」の記事はこちら

時折クイズを出しながら、楽しく案内する語り部の村上さんと。

ガイドツアーで触れる
大島の人々の想い

「自分の音楽にも似ているところがあるような気がします」。
「野杜海(のどか)」の小山さんと話し終え、石崎さんはぽつりとそう言いました。

「変わっていく部分と、守っていきたい部分っていう話。メジャーデビューから7年経って、変わっていく、変わっていかなきゃっていう部分はもちろんあるんですが、その一方で、この景色はずっと守っていかなきゃいけないな、という部分も確実にあって。海が見える場所を守りたい、大島の文化を伝えたいという気持ちと、近いような気がしました」。

飲食店やカフェが6店舗連なる「野杜海」。
天気がいい日には海を望む芝生でランチタイムを過ごすこともできます。

昼食で味わったのは、大島の魚介とハーブを使ったパスタ。
「どのお店もおいしそう。ほかのメニューも食べてみたい」と石崎さん。

「野杜海」の鮮魚店には、その日取れた大島の魚が。「サメがいる!」と石崎さん。

この日は語り部ツアーも体験しました。
「大島で唯一の語り部になってしまいました」と話すのは「ガイドサークル潮彩」の村上まき子さん。
観光客のほか修学旅行や社員研修などに向けて、「緑の真珠」と呼ばれる大島の美しさや自然環境、震災時の様子などをガイドしています。

大島には、遠洋漁業で海難事故にあった人を追悼する石碑も。

「震災の時、大島は全滅したと言われたんです。ほら、今も火災の跡が分かるでしょう」。
亀山展望台から見える山肌を指さしながら、村上さんは言います。

視線の先には、今も残る黒く炭化した木々。石崎さんは息をのみます。

「津波に加えて、対岸から流れてきた火で火災が発生し、山が燃えたんです。私ももうだめかな、と思いましたが、その時島にいた中学生がとっても頑張って。自分たちがやらないといけないと協力して、消火活動を始めたんです」。
内陸から孤立していた大島。親と会えない子もいるなか、若い力が島の大人を励ましました。
「悲しい気持ちもあっただろうに、本当に一生懸命で。私たちも頑張らないとと奮い立たされました」。

「景色だけ見れば、今はそんなこと思いもよらないけど…。聞いてみて初めて感じることがありますね」と石崎さん。
「中学生の活躍のエピソードや野杜海の想いを聞いて、すごく人間的なパワーを感じました。こういうパワーって以前も感じたことがあって。震災のあと被災地に音楽を届けに行った時、めちゃめちゃ音楽を求める欲というか、パワーを感じたんです。そういうパワーが大島の復興を動かしている。今、自分たちが、大島の復興の様子を見ることができるのは、すごく貴重な体験だなと思います。大島の考えや風土に触れる機会を、多くの人に持ってもらえたらと思います」。

亀山展望台からの眺望。石巻市や岩手県まで見渡せます。

【ここに注目! NOW IS.EYE’S】

ガイドサークル潮彩は、気仙沼大島の震災伝承をはじめ、大島の歴史や文化を紹介するツアーガイドです。展望スポット「亀山展望台」や復興を感じる海辺の様子などを軽快な語りで案内してくれます。
 

石崎ひゅーい(いしざき ひゅーい)
1984年生まれ、茨城県水戸市出身。2012年にシンガーソングライターとしてメジャーデビュー。各地でツアーを行うとともに、テレビドラマやアニメ、映画などのテーマ曲も数多く発表。2019年には役者として映画出演するなど、活動の幅を広げている。