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宮城県
復興取材レポート

【復興インタビュー】秋保ワイナリー

2015年10月のオープン以来、宮城・仙台の人気スポットとなっている「秋保ワイナリー」。代表取締役の毛利親房さんがワイナリーを始めたきっかけは、東日本大震災でした。

被災地に賑わいを創出したい―
強い思いで、ワイナリーを創業

仙台市内の設計事務所に設計士として勤めていた毛利さん。それまでに自治体案件も請け負っていたため、さまざまな復興計画会議に参加するようになったそうで、「被災地に賑わいを創出したいということで、いろいろ調べたんです。すると、カリフォルニアやヨーロッパでは、ワイナリーがあるとそこが観光の拠点になっている。ワインとのマリアージュなら、被災した生産者も応援することができるんじゃないかって」。さらに、宮城県に1軒だけあったワイナリーが津波で流されてしまい、ワイン産業が途絶えてしまったことも、毛利さんの背中を押すきっかけになりました。

最初は沿岸部での創業を考えていたそうですが、用地確保の難しさから断念。それでもあきらめなかったのは、家族の応援と「震災後の東北に、また人に集まってほしい」という強い思いがあったからだそう。そんな中、時々遊びに行っていた秋保に耕作放棄地があったことを思い出し、現地に足を運んだ毛利さん。もともと知り合いだった「ガラス工房 元」の佐藤元洋さんに「ブドウを植えたい」と話したところ、佐藤さんのお父さんを通じてすぐに地権者のみなさんとの話が進み、用地の確保が叶いました。そこから自分たちの手で開墾し、最初は1200本だったブドウの木は、今や7000本に。「秋保ワイナリー」では、ワインの醸造と担い手の育成に励んでいます。

今だからこそ東北が手を携えて、
震災で学んだことを活かすことができる

「考えるのが好きなんですよ」と笑顔で語る毛利さん。キラキラした表情で未来の展望を語るその姿に多くの人が突き動かされるのか、今年、「秋保ワイナリー」の隣に全米ナンバーワンにも選ばれたことのあるブルワリー(=クラフトビールの醸造所)の建設が決まりました。「マーケットの大きさだけじゃなく、震災の後の東北を応援したいんだ、と仙台を選んでくれたんです。このブルワリーが完成したら、間違いなく世界中からお客さんが呼べる。僕たちは、『秋保クラフトバレープロジェクト』として、ワイン、ビール、農家も飲食店も旅館も、みんなで協力して盛り上げていきたいなと思っているんです。今後、秋保には小規模のワイナリーとブルワリーを増やしていきたいんですよね」。

さらには、東北6県の地酒と生産者と飲食店と連携して、東北を旅しながらさまざまなストーリーに触れる「東北テロワージュ」の取り組みも始めました。「東北の食と文化をしっかり発信していこう、というものです。今だからみんなで手を携えることができるし、今やらないと、震災で何を学んだかを残せない。僕、ワイナリーを始めてから、食材の生産者の方々の想いを伝えるワイン会を開いたんですね。お客様の中には、涙を浮かべてお食事する方もいて。震災は、奪っていくだけではなくて、ステキなつながりも生んでくれたんだなって思えるようになりました」。

秋保を拠点に、東北に新しい賑わいを創出し続けていく毛利さん。この先も目が離せません。

 

秋保ワイナリー
仙台市太白区秋保町湯元枇杷原西6
022-226-7475
9:30~17:00
火曜定休

http://akiuwinery.co.jp/