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復興取材レポート

【復興インタビュー】中華そば まるき

『ミシュランガイド 宮城2017特別版』に掲載されるほどの名店かつ人気店である気仙沼の「中華そば まるき」。人々の心とお腹を満たすラーメンが誕生したのには、東日本大震災での被災経験があったから―。

震災をきっかけに気付いた「ラーメンが持つ力」

港町・気仙沼の名物グルメといえば、ふかひれやカツオなど、気仙沼港で揚がる海の幸が有名です。しかし、この土地で平日でも昼時前から行列のできる人気ラーメン店があるのをご存じでしょうか。それが「中華そば まるき」です。

震災前、家族で営んでいた気仙沼港近くの「まるき食堂」が、津波によって全壊。家族とともに避難所で生活を送っていた店主の熊谷一政さんは、ある日、炊き出しのラーメンの美味しさ、ラーメンが持つ大きな力と可能性に心を打たれたといいます。「関東でも有名な『ちばき屋本店』の千葉さんが気仙沼出身ということで、炊き出しに来てくれたんです。しかも、仙台の名店『五福星』の早坂さんなど、有名ラ―メン店のレジェンドたちと一緒に。ラーメンがおいしかったこともそうなんですが、お手伝いさせていただく中で、被災者のみなさんの笑顔を見ることができた。それがすごくうれしくて、ラーメンって日本人のソウルフードなんだな、と思ったんです」。

 

「ミシュラン」は、支えてくれた人たちのおかげ

熊谷さんは「自分もラーメンで気仙沼を元気にしたい!と思いました。だから、思い切ってラーメン店として再開することにしたんです」。

もともとの食堂時代に提供していたラーメンをブラッシュアップし、煮干出汁のラーメンを看板メニューに。「やっぱり港町ですから、『港町のDNA』である煮干文化を伝えていきたくて」。

自家製の細麺にチャーシュー、さんま節の香味油を仕上げに入れた「特製中華そば」を一口すすると、今は亡き両親と幼い頃に食べた、夜鳴きそばを思い出しました。「煮干って日本の文化じゃないですか。だから、煮干出汁って、郷愁の味になるんですよね」。初めて食べたのにとても懐かしい味の「特製中華そば」をはじめ、煮干出汁をベースにしたさまざまなラーメンは多くの人たちを魅了。さらに『ミシュランガイド 宮城2017特別版』に掲載されたことも大きなきっかけとなり、気仙沼市外からのお客さまも多くなりました。

「気仙沼のラーメン屋が載せてもらえるんだ!ってちょっとびっくりしました。まずは名前を知られるようにならないと!と思っていたので、ミシュランへの掲載はありがたかったです。でも、これは私たちを導いて、支えてくれたたくさんの人たちのおかげ。その人たちの想いに応えるためにも、これからもっともっと頑張っていかないと。これからも気仙沼のラーメン文化を盛り上げていきます」。

気仙沼の、そして宮城のラーメン文化を盛り上げようと、今日も厨房で腕を振るう熊谷さんは、新たなメニューにも日々取り組んでいます。そんな若き店主を筆頭にして「中華そば まるき」は、その温かな一杯で、これからも多くの人々の想いに寄り添っていくことでしょう。

中華そば まるき
住所:宮城県気仙沼市田中前2-2-11
電話番号:0226-23-1747
営業時間:11:30~14:30(L.O)
定休日:月曜