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復興取材レポート

【復興インタビュー】みちのく仙台ORI☆姫隊

宮城発のボランティアアイドル「みちのく仙台ORI☆姫隊」。結成のきっかけは、村田淑恵さんが、避難所で聞いた「アイドルになりたい」というひとりの少女の言葉でした。

避難所で夢を語る女の子が、ORI☆姫隊のはじまりだった

宮城発のボランティアアイドルグループ「みちのく仙台ORI☆姫隊」は、震災直後から復興支援のために国内・海外の多くの人たちに元気と笑顔を届けています。

2011年7月の結成から、復興支援プロジェクトの代表、そしてプロデューサーとしてORI☆姫隊を率いてきたのは「一般社団法人JASIA ORI☆姫隊復興支援プロジェクト」代表理事の村田淑恵さん。自身も被災し、経営する会社もひっ迫しましたが、「残された者の使命として、夢中で学校や養護施設、障がい者施設や高齢者施設などに義援金や支援物資を届けていました。ある日、避難所で子どもたちと話をしていたら、ある子が『アイドルになりたい』という夢を語ってくれたんです。この状況で、夢を語れる子どもってすごい!って心から驚いて、一筋の光を見た気がしました。そして、パズルのピースがハマったような気がしたんです。夢を語る子どもがいて…。原発問題を心配し、近い将来子どもを産むこの国の女の子たちの教育や、自分の周りに仕事を失った大人がいて。ああ、これをやるのは自分しかいない、って思ったんです」。

心が優しくなければ、復興支援はできない

村田さんが目指したのは「被災地から世界に羽ばたくリーダー格」の育成でした。「被災してかわいそう、という“守られる存在”ではなく、こういう経験をしたからこそ“守る側”であるべきだと思ったんですね。そして、『東北は大丈夫』ということを世界に示したかった。だから『私と一緒に復興支援をするのであれば、夢を応援するよ』と立ち上げたのが、ガールスカウトのようなアイドルユニット『ORI☆姫隊』でした」。

12人のメンバーでスタートしたORI☆姫隊。石巻や塩釜、七ヶ浜で津波によって自宅が被災したメンバーもいたそうです。メンバーとしての条件は「歌や踊りが好きなのはもちろんですが、なによりも心が優しい子であることを重視しました。心が優しくなければ、復興支援はできませんから」。

設立時は、炊出しの手伝い、仮設住宅慰問、仮設店舗応援、ステージ後に行う募金活動で集めた義援金と物資を被災地に歌と踊りと一緒に届けました。そして、現在は集団移転復興住宅の応援や、国内外で発生した自然災害の復旧応援、環境保全、防災・減災、社会福祉活動などさまざまな社会貢献を行っています。

その中のひとつ、今最も熱いのが「姫☆のアサカツ!!」。これは、早朝に津波被災地での海岸清掃、防潮堤ランニング、被災者への傾聴、そして復興応援ミニライブの披露を行うもの。震災から10年が経過する被災地の現状を知ることや、海岸の清掃を通し、近年問題となっている環境問題についてメンバーが自分自身の身体と頭で考えることなどを目的とした、コロナ禍でも出来る野外プロジェクトです。

「ORI☆姫隊は、学びの場。私はメンバーに対して、一切子ども扱いはしません。常に自分の身体と頭で考え、行動し、責任を持つように指導しています。この地球、人類がこの先どうしていけばいいのかをいつも問うようにしています」。村田さんの教えのもと、ORI☆姫隊はSDGsを10年前から実践していたのです。「全然意識していなかったんですけれど、ひたすら復興支援活動をしていたら『自然に持続可能な社会の実現のために』というのをやっていたみたいなんです」と、朗らかに笑う村田さん。

2013年には「ご当地アイドルお取り寄せ図鑑」で全国優勝するほどの実力を持つORI☆姫隊。
現在は農林水産省「食べつくせ!TOHOKU食の応援大使」に3年連続任命され、被災地を食で応援する活動にも力を入れています。「10年目を迎えるにあたって、震災の風化防止に力を入れなくてはいけないと思っています。幸い、初期メンバーのNODOCAが今もリーダーとして活躍してくれていて、下の世代も育っています。いつかは彼女たちがORI☆姫隊を引っ張っていく存在になるでしょう」。

村田さんの思いを継ぐ、ORI☆姫隊のメンバーたち

愛称ORI☆ママンと呼ばれている村田さん。母親とも、学校の教師とも違う立場でORI☆姫隊のメンバーを育ててきました。そんな村田さんは、ORI☆姫隊にとってどんな存在なのでしょう。創設メンバーであるNODOCAさんは「一番近くにいてくれる、カッコいい憧れの女性です。こんな大人になりたいです」と話します。そして現メンバーのMIHOさんは「私たちよりも元気(笑)。ORI☆姫隊を作ってくださったその思いを受け取って、繋いでいきたいです」、SEIKAさんは「尊敬する存在。出会って、自分の生き方が変わりました」と話してくれました。

そして、現在ジュニアメンバーとして参加しているMIKIさんは、震災の1か月前に生まれたそう。当然、当時の記憶はありませんが、「ORI☆姫隊の活動には3才の時から参加していて、震災のことも動画で見ているので、とても悲しい思いをした人たちがたくさんいることを学びました。これからも人の役に立てることをしていきたいです」と話します。

最後に、NODOCAさんに“これまでの10年”と“これからの10年”について聞いてみました。「私自身も被災しましたが、ORI☆姫隊として応援に伺い、私以上に大変で悲しい思いをしている方々がいることを目の当たりにしてきました。道路など形あるものは元に戻っているかもしれませんが、どんなに時間が経っても癒せないこともあります。そして、震災をきっかけに浮き彫りになったさまざまな社会問題も見えてきました。これから解決していかなくてはいけないことが山積しているんです。だから、大好きな仙台で、これからもORI☆姫隊としてさまざまな問題解決に役立てるような活動をさせていただければと思っています」と、心強い言葉を語ってくれました。

村田さんの思い・信念をしっかりと受け継いでいる、ORI☆姫隊のこれからの活躍に期待したいですね。

 

みちのく仙台ORI☆姫隊の詳しい情報は、ホームページへ

https://orihimetai.com/