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復興取材レポート

【宮城発!元気と食の最新情報】新たなる挑戦の場から生まれた、女川町の新たな特産品

女川町で活動する「一般社団法人コミュニティスペースうみねこ」は、緑豊かな山の自然と海に囲まれたロケーションの中で、高齢者が働けるコミュニティカフェ「果樹園カフェゆめハウス」を運営しながら、農産物の生産・加工品販売を行っています。

平成27年には、高齢者が若者と共に地域社会を支えあう仕組みづくりのプロジェクトとして高い評価を受け、「新しい東北復興ビジネスコンテスト2015優秀賞」を受賞しました。

代表の八木純子さんは震災直後から、避難所や仮設住宅で、乳幼児の子守や物資の配給、炊き出しなどのボランティア活動を続けてきました。
しかし時間が経つに連れ、不安や孤独と隣り合わせの暮らしが、高齢者の元気を奪っている状況に気が付きます。

「今の高齢者に必要なのは、誰かと一緒にいられる時間と場所、それと自分の手で稼ぐ少しのお小遣いだ。何かを作って販売しよう。」

八木さんはコンテナハウスでのお茶っこを開催し、全国から寄せられた古着のTシャツを再使用した布草履の制作と販売を始めます。
馴染みの顔に会える安心感と、作業場を訪れる全国各地からのボランティアとの交流で、次第にお母さんたちの表情には笑顔が戻りました。

震災発生から1年が過ぎた頃、八木さんは女川町高白浜にある、津波で被災した実家の納屋の前で考えを巡らせていました。
「布草履の制作で、お母さん達の生きがいと仕事は生みだせた。じゃあ、漁に出られなくなった、お父さん達が夢中になれる仕事ってなんだろう?」。

その時、八木さんの目に津波を被った2本のいちじくの樹が実をつけている光景が飛び込んできます。

「自然の海を相手に生業をたててきた漁師ならば、きっと自然の大地が相手の農業という仕事にも生きがいを見出してくれるに違いない!」

津波で職を失った漁業関係者の、新たなる挑戦の場として、お父さんたちはボランティアと一緒に瓦礫を撤去し、実家の敷地や山の斜面に女川町では初となる農園を開墾。
町の新たな特産品を生みだすべく、いちじくや唐辛子の生産を開始します。

2014年4月には、被災した実家の納屋がコミュニティカフェへと生まれ変わり、お父さん達が農園で育てた「いちじく」が、お母さん達の手によって、「いちじくのコンポート」としてランチメニューのデザートになりました。

さらに八木さんは「いちじく」の葉を使用したお茶をカフェで提供できないか思案を重ねます。

乾燥に試行錯誤を重ね、ついに誕生したのが「いちじく茶」でした。

ノンカフェインで香りも豊か。夜のリラックスタイムでも安心して楽しめる、体にもうれしいお茶が誕生したのです。

そして昨年度、八木さんは販路拡大を見据え、商品のブラッシュアップにも着手。
幕張メッセで開催された国内最大規模の展示会「スーパーマーケットトレードショー2017」にて、「umineko」(ウミネコ)ブランドのネーミングで「いちじく茶」、「セミドライいちじく」、「いちじく甘露煮」、女川町産「唐辛子粉」の4商品がマーケットデビューを果たしました。

海の町の畑で生まれた、潮風と太陽の香りがする「いちじく茶」。女川町にお出かけの際には、「果樹園カフェゆめハウス」に足を運んで、ぜひ手にとってみてくださいね!

一般社団法人コミュニティハウスうみねこ
https://www.umineko-onagawa.com/

執筆者PROFILE
一般社団法人IKI ZEN 佐藤大樹
食を中心に、宮城県の中小企業生産者の6次産業化や農商工連携・地域ブランディング等の支援を行うことを目的とし、平成27年4月に設立された一般社団法人。管理栄養士・6次産業化プランナーである代表理事を中心に、クリエィティブディレクターの理事らとブランディング・商品開発・販路拡大支援を行っている。
https://www.facebook.com/ikizenproject/