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宮城県
復興取材レポート

【女川 探訪】
女川の復興はいつか終わる。希望が見えた2つの出会い。

>>「NOW IS.対談 in 女川 中村雅俊さん × OCHACCO 内海康生さん」の記事はこちら

「ガル屋beer」の木村さんと。

お茶とビールでつくる
新しい交流の場

OCHACCOでは、「日本茶を通じた豊かな時間」をコンセプトに、日本茶をベースにしたフレーバーティーを製造・販売しています。店の看板でもあるお茶が「モノブルー」。透き通るような水色のお茶です。

「おお、本当に青い!」と驚く中村さん。

「これは確かに海の色だ」と「モノブルー」を飲む中村さん。

内海さんは「三陸の海のコバルトブルーを意識したんです。もともとアールグレイは、ヨーロッパの小さな町で生まれたお茶でした。このお茶も、いつか世界の定番になってほしいと思っています」。

感心した様子の中村さん。
「復興は、ものごとの新しいかたちを考えるいい機会。既成概念を壊すいい機会なのかもしれません」。

「OCHACCO」の棚には、宮城の特産品を活かしたさまざまなお茶が並びます。

次に訪れたのは、OCHACCOと同じくシーパルピア女川に店を構える「ガル屋beer」。店主の木村優佑さんは、2013年に生まれ故郷の女川にUターンし、当時の復興商店街「きぼうのかね商店街」にビアバーをオープンしました。

「震災後、何かしないといけないという漠然とした気持ちになりました。そんな時、女川の人たちの話を東京で聞く機会があったんです」と木村さん。
「その時、女川の人たちがすごく前向きに頑張っているパワーを感じたんです。自分も、女川の経済を回す手伝いがしたいって思いました」。

勤めていたIT関係の会社を辞め、「ガル屋」をオープン。
「女川の中の人と外から来た人が一緒に乾杯する場にしたいと思ったんです。そのコンセプトは今も変わりません」。

「たしかに、今のお店はガラス張りで外から入りやすい雰囲気」と中村さん。

木村さんはうなずきます。
「個室もないので、いつもお客さん同士で話す雰囲気になるんですよ。これからの女川は、女川を知っている人、好きだなと思ってくれる人を増やす必要があります。この店も、そういう交流の手助けをしたいです」。

「ガル屋beer」は、気軽にのぞけるガラス張り。取材中も、近くの店の店主がひょっこり顔を出しました。

「今日2人の話を聞いて、復興はいつか終わるな、と感じました」。
中村さんは1日を振り返りそう話します。

「まだまだ時間がかかるかもしれないけど、こういうパワーがあれば、いつか必ず、復興は終わったね、と言える日が来ますね。今日会った2人は、やろうと思えば女川以外の場所で活躍できた人です。そういう人たちが、あえて女川を選んだ。すごいことですよ。今はもう、昔の基準では図れない時代になった。ありえないことが平気で起きる。そんな時だからこそ、一見マイナスからのスタートとも思える女川が良かったのかもしれないですね。今女川は新たな道を探す時期に来ています。強いウリを見つけて、全国に発信してほしいですね」。

【ここに注目! NOW IS.EYE’S】

「ガル屋beer」では、オリジナルレシピのクラフトビール「女川ホップペール」を提供しています。現在は委託して製造していますが、近く女川でもクラフトビールをつくれるようにしたいと思っているそうです。
 

中村雅俊(なかむら まさとし)
1951年生まれ、女川町出身。慶應義塾大学経済学部に入学後、文学座附属演劇研究所に入所。ドラマ「われら青春!」でデビュー後、俳優、歌手として幅広く活躍している。東日本大震災後は被災地支援やチャリティーなどに尽力した。