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宮城県
復興取材レポート

【いわたかれんの復興フォトVOL.21】「紡ぎ」

皆さんこんにちは。岩田華怜です。
東京は少しずつ暖かくなり、春の足音が聞こえてきました。皆さんのお住まいの地域は如何でしょうか?
今回私が訪れたのは、宮城県東松島市。
この日はとても天気が良く、思わず上着を脱いでしまう程気持ちの良い気候でした☀️

今回はそんなお日様の下にある、可愛らしいログハウスにお邪魔してきました!

中に入ると、優しい木の匂いに包まれて、一瞬でリラックスしてしまう安心感。そして壁一面に、色とりどりの糸が。実はここは、刺しゅう材料を扱う店舗を併設した東松島ステッチガールズの活動拠点。

東日本大震災後、すぐに東松島市を支援してくれたデンマーク。そんなデンマーク人の祖母を持ち、タレントでもある岡田美里さんが、東日本大震災で被災した女性たちに生きがいをつくろうと呼び掛け、2013年2月に発足したのがここ、東松島ステッチガールズさんです。
デンマークの伝統刺しゅうであるクロスステッチで、東松島に新しい産業をつくろうと始まりました。

「手仕事事業は、利益性が低いため、みなさんの気持ちがあっての活動です。7年も続いてきたコミュニティを継続させたい」。

この東松島ステッチガールズさんの活動は、主婦の方や初心者の方も多く、空いた時間に趣味の延長でここに来るも良し、経験がなくても良し、と言う、凄く女性に優しいお仕事なんです。そんな、収入以外の魅力を感じてくれている女性たちに、7年も愛されてきました。
収入よりもやりがい。
でもやるからには、少なくても収益を上げていこうと決意した芳賀朋子さん。なんと昨年自宅敷地内に、新事務所兼店舗を構えました。
現在は20~60代の女性約20人が活動しているそうです。

店舗ではイニシャル入りのハンカチや、航空自衛隊松島基地所属のブルーインパルスをあしらったブローチなど独自商品を扱っています。安定した収入確保を目指し、クロスステッチ以外の刺しゅうや、刺しゅうを指す土台となる子供服の縫製など、活動の幅を広げていきたいと話してくれました。

刺しゅうは難しいものになると、一枚仕上げるのに3〜4カ月かかるそうです。
一本一本手作業で糸を紡いでいく。

気の遠くなるような作業も頑張れるのは、もちろん好きだから。でもそれ以上に、東松島市の励みになりたい。震災を乗り越え、夢中になれるものを見つけたい。東北に元気になってほしい。そんな願いが込められていることを、とても感じました。

続いてお邪魔したのは、同じく東松島市にあるお洒落なカフェ、Koinonia Café(コイノニアカフェ)さん。
中に入ってみると、なんだか海外映画の撮影が始まりそうな程アメリカンな雰囲気!
このカフェを手掛けているのは、ロブ夫妻。
アメリカジョージア州出身のチャック・ロブさんと、ロブ由美さん。

 

東日本大震災時は沖縄に在住していたお2人は、ボランティアで東松島市や石巻市、南三陸町を訪れました。
するとしだいに、ボランティアで短期的に来るのではなく、長期で寄り添うことが必要だと思うようになったというチャックさん。
仕事も住む場所も決まっていないにもかかわらず、奥様の由美さんを説得し、10月に仙台市のクリスチャン仲間のところに身を寄せます。ご主人のチャックさんに理由を聞くと、「神に背中を押された」と当時を振り返ります。由美さんは、「不安やめげそうなこともありましたが、沖縄にいたら、震災はどこか他人事になっていたと思う。宮城に来なければ、なかった出会いや、何より”来てくれてありがとう”と言ってくれる人がいる事が本当にうれしい」と語ってくれました。

お話を聞きながら、注文していたキャラメルラテとクッキーを頂いていたのですが、これがとても美味しくて。程よいジャンキーさを香らせる贅沢サイズのクッキーと、ホッとする味わいのキャラメルラテは相性抜群。
クッキーはこれに加えてお持ち帰りもしちゃいました。笑
メニューや内装は由美さんのアイデアなんだそうです。

「アメリカ人は、感情を表に出すのが当然だけど、東北の方々はあまり感情を表に出さない。黙って耐え凌ぐ。でもその分、仲良くなるととてもあたたかい。でもやっぱり、ハード面の復興はしたけれど、住民のみなさんは、まだ色んな感情を抑え込んでいて、一人で抱えている人もまだいると思います」とチャックさんは話してくれました。

実はこの記事を書いているのは、3月11日。東日本大震災から9年が経った節目の日です。
とても長い年月が過ぎて行った筈なのに、私にとってはつい最近のことのように思えます。それくらい、あの震災の記憶は、脳に焼きついて無くなることはありません。
私もチャックさんのお話を聞いて、改めて東北人は”辛抱強い”なと感じました。
でもその強い心が、今の活気が戻りつつある東北の姿を作ったのだと思います。
がんばろう東北。その文字を全員がしっかりと背負って、一人一人に出来ることを考えたから、今の宮城があります。
今、震災の時と同じように、混乱を余儀なくされている日本ですが、こういう時こそ、一人一人の強い心が大切なのです。災害や流行病に負けない心を、私たちはきっと持っているはずです。
がんばろう東北。
がんばろう日本。

岩田華怜
仙台市出身の女優。