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復興取材レポート

震災遺構】 ~かつての学び舎が伝える津波の脅威と震災の教訓~「震災遺構 仙台市立荒浜小学校」

仙台市中心部から東に約10km離れた沿岸部に位置する荒浜地区。海岸線に沿うように「貞山堀」が流れ、その周囲にはかつて約800世帯、2,200人が暮らしていました。

東日本大震災発生時、海岸から約700m内陸に建っていた「仙台市立荒浜小学校」には、児童や教職員、周辺住民ら320人が避難。2階まで津波が押し寄せた校舎は、現在震災遺構として公開され、津波の脅威や震災の教訓を伝えています。

4階建ての校舎は3階部分を除き、屋上まで公開。立ち入りが制限されている箇所もありますが、津波の被害を受けた校舎のありのままが見学できるように整備されています。

避難者320人全員の命を守った校舎が受けた津波被害の大きさは、外から見ただけでも明らか。校舎2階まで達したと記される津波は、2階ベランダの壁や鉄柵を破壊。鉄のドアや窓枠も、津波の威力でひしゃげています。

校舎内に入ると目に飛び込んでくるのは、私たちが知っている“小学校”とはかけ離れた光景ばかり。津波の勢いで押し込められた車3台が廊下に連なり、瓦礫で埋め尽くされていたという1階の教室は、窓ガラスはもちろん、壁の一部も破壊されて、天井もはがれ落ちています。

2階の廊下に置かれているキャビネットの側面にはサビが。2階の床上約40cmまで達した津波の痕跡です。

津波被害を免れた4階部分は、展示室として公開されています。荒浜地区の歴史や文化、小学校の思い出などを紹介するとともに、地震発生から避難、津波の襲来、避難した全員が救助されるまでの様子を、写真や被災された方の証言を含む映像で解説。当時の緊迫した状況を知ることができます。

また避難状況を記録した当時のままの黒板、暗幕や紅白幕を床に敷いて寒さに耐えた震災当日の状況を再現した展示からは、災害への備えについて学ぶこともできます。

さらに屋上から見えるのは、今も復興工事が続く荒浜地区。屋上入口に置いてあるカードの番号と、屋上フェンスにある番号を照らし合わせると、震災前・震災直後の写真と見比べながら、復興が進む現在の荒浜を見渡すことができます。

「荒浜小学校」を襲った大津波の爪痕。誰もが通う“小学校”という場所だけに、その凄惨な光景を目の当たりにすると、津波の脅威をより深く感じることができます。いつ自分が、または自分の大切な人が遭遇するかも分からない災害。少しでも防災・減災の意識を高めるために、「震災遺構 仙台市立荒浜小学校」に立ち寄ってください。

 

【震災遺構 仙台市立荒浜小学校】
住所:仙台市若林区荒浜字新堀端32-1
電話:022-355-8517(震災遺構 仙台市立荒浜小学校 管理事務所)
開館時間:10:00~16:00 ※入館無料
休館日:月曜、第2・第4木曜(祝日の場合はその翌日)、祝休日の翌日(土・日曜、祝日を除く)、年末年始、臨時休館日