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宮城県
復興取材レポート

触れ合うと、もっと楽しくなる。ムーディ勝山さんと亘理町のおいしいものを食べる旅。

あらはま海苔合同会社代表の菊地さんと海苔製造機械の前で

骨折した骨が強くなるような「たくましさ」を感じた

「わあ、海、きれいですねえ!」。
朝から降り続いた雨が上がり、雲の切れ間から陽射しが注ぐ荒浜の海。ムーディ勝山さんは、感じ入ったように、声を上げました。

この日、亘理町の荒浜地区を一緒に歩いたムーディさんは、震災後の2012年から、ラジオ番組の出演で毎週宮城県を訪れています。「自分の故郷より頻繁に来ているかも。もはや第二の故郷みたいなもん」。

当初、沿岸部の取材は気を遣ったそうです。
「海がきれいって言うのも、言っていいのかなと。でも、実際に足を運ぶと、地元の人はワハハって笑ってくれる。津波や地震のことを、笑い話のように話してくれる人もいるんです。たくましいな、骨折した骨が、前よりもっと強くなるみたいだって思いました」。

この日は、まず「荒浜にぎわい回廊商店街」の「魚屋hide」でランチ。ムーディさんが選んだのは、期間限定の「平目天丼」。

「荒浜にぎわい回廊商店街」では、海の幸を使った海鮮丼や軽食を味わえます。

満面の笑みで頬張る様子に、お店の人もニコニコです。「今日はヒラメやカレイがいい日だったんですよ」。
ムーディさんも「この厚さ!東京じゃ食べられない」と満足気です。

雑貨店「RIO GRANDE」では、ハンドメイドだという亘理町名物「はらこ飯」のバッチを購入。さっそく、白いスーツの胸に付けていました。

話を聞くともっとおいしく感じる 

次に訪れたのは、「あらはま海苔合同会社」。
荒浜では、100年ほど前から海苔養殖が始まり、阿武隈川から流れ込むミネラル豊富な水が、味のいい海苔を育てています。

「あらはま海苔合同会社」がつくる「あらはま焼海苔」

「昔はたくさん生産者がいたんだけど、今は5人。津波で気持ちが落ち込んだけど、自分たちがやらなかったら、荒浜の海苔は終わっちゃうから」と代表の菊地さんは、工場を案内しながらそう話します。

生産者が少ない分、大規模な機械化に踏み切りました。生海苔を抄(す)いて、乾海苔をつくる巨大な機械に「すごいなあ!」とムーディさん。

新たに導入したシステム船。「機械の手を借りて、いい海苔をつくり続けようとする。いいですね、ちょっと感動します」。

菊地さんは「海苔の収獲に最新のシステム船を導入したことで、6人必要だった作業が1人でできるようになった」と話します。「でも、種付けとか仕上げとかには人間の手を入れるの。経験と勘がいるから。つや艶と味が変わるんだ」。

言葉少なに、でも胸を張ってそう話す菊地さんを見て、ムーディさんは「かっこいいなぁ」。
菊地さんたちが作った海苔を食べ、「ええ!うまい!海苔の価値観が変わりました」。

通常の海苔と特選を食べ比べ、「普通のも充分おいしいんだけど、特選うまい!風味が違います」とムーディさん

「こうやって、地元の人の話を聞くのがいいですね」とムーディさん。「ストーリーを聞いてホントにいいものだって知ると、もっと食べたくなるでしょう。みんなにも、宮城に来て、そういう楽しみ方をしてほしいですね。おいしい1日でした」、とうれしそうに、そう話してくれました。
(文責・沼田佐和子)

ムーディ勝山
滋賀県草津市出身。よしもとクリエイティブ・エージェンシーに所属。タキシード姿でムード歌謡風の「右から来たものを左へ受け流すの歌」でブレイクするなど、お笑いピン芸人として活躍。現在はTBC東北放送のラジオ番組やチャリティライブへの出演など、地方での活動にも熱を注ぐ。