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復興取材レポート

海の可能性を商品にのせて。株式会社シーフーズあかま 赤間 俊介さん

3代続く漁師の家。赤間さんは中学生のころから船に乗り、ワカメの養殖を手伝っていたと言います。

「気持ちいいんですよ、海。若いときは陸で仕事をしていたこともありましたが、やっぱり戻ってきました」。

27歳の時に震災が発生。山側にあった工場は浸水を免れましたが、船は3艘、流されてしまいました。

「この時もやめるって発想はなかったですね。翌月には新しい船を発注して、8月には進水式をやりました」。

そのスピード感はどこからうまれるのか、聞いてみると「うーん、やってみないと分からないからですかね。代々、なんでもサッとやっちゃう社風なんです」と笑います。

食べてもらうことが海を守ることにつながる。

赤間さんが社長を勤める「シーフーズあかま」では、ワカメの養殖のほか、ワカメやメカブ、ギバサ、アカモクなどを使った商品を製造販売しています。

「漁師としてだけでなく、商品開発も始めるようになって、29年目になります。規格外で出荷できないワカメを加工して売ったのが最初です。市場ではB級品でも、味はいい。松島湾のワカメは口当たりがよくて柔らかく味わい深いのが特徴で、サッと茹でたてを食べるのが一番おいしいです」。

粘りが強く、食べやすいのが特徴。お好みのタレで、ごはんやスープ、サラダやパスタと汎用性抜群の海藻です。

赤間さんが今、力を入れているのが「アカモク」の活用です。「アカモク」は、浅海の栄養塩と、ある程度の海流がある内湾と外洋側に自生する、いわば「野草」のような海藻です。漁や養殖の邪魔になることから、漁師には嫌われていましたが、「アカモクのポテンシャルはすごいんですよ!」と赤間さん。

「食物繊維が豊富で、ミネラル分も驚くほど含まれています。女性の方に喜ばれる機能性が多いんですよ。ネバトロ×シャキシャキ食感で、酒のアテや洋食との相性もよくて、東京や仙台の居酒屋やレストランでも出してくれるようになってきました」。

一方、アカモクは質の管理が重要だと言います。「一年生の海藻なので、おいしい時期を逃すとかたくなっちゃうんです」。その見極めが、漁師の腕のみせどころ。

「内湾は1月頃、外洋側は5月頃が粘りも色も抜群、その中でも根を張ったキレイなアカモクを厳選しています。品質がいいアカモクを探すには、コツがいるんです。いつも海にいる漁師だったら、難しい目利きじゃないんですが、これまで誰も『資源』だと思って見てこなかったので。これからいかに『良いアカモク』を収穫できる人を増やすかが、大切だと思います」。

赤間さんの原点、ワカメ漁。冬になると、早朝から作業に繰り出します。

大手スーパーやコンビニエンスストアからも引き合いがあるというアカモク。需要に対して、いかに安定した生産を持続できるかを、追求し続けます。

岩手アカモク生産協同組合と連携して「アカモクプロジェクト」を立ち上げ、地域を越えてアカモクの魅力発信を行い、食べ方などを紹介した冊子「アカモクブック」をつくるなど、普及や食育の取組を続けています。

女性をターゲットに、パッケージやデザインにもこだわった商品。

「将来的にはアカモクの養殖も視野に入れていきたい。海藻を養殖すると、海の循環がよくなり、水質がよくなるんです。需要が増え、海藻を育てられるようになれば、海にとってもメリットがある。これまで知られていなかった海の環境や資源を知ってもらって、日頃から食べてもらえるようになれば、地域の自然を守ることにもつながるんじゃないかな、と思っています」。

松島湾の良さを全国に伝えたい。赤間さんの挑戦は続きます。

株式会社シーフーズあかま/アカモクプロジェクト
赤間 俊介(あかましゅんすけ)さん

祖父の代から続く漁業でわかめやアカモクを生産する漁師。株式会社シーフーズあかま代表取締役。2014年には(社)東の食の会、岩手アカモク生産協同組合と連携し「アカモクプロジェクト」を立上げ。若手漁師の団体にも所属し、現在はフィッシャーマンズリーグで食育部門のわかめリーダーを務め、子どもたちへの食育活動を積極的に行っている。