みやぎ復興情報ポータルサイト
宮城県
復興取材レポート

宮城にいるタレントだからできること。本間秋彦さんとにぎわいの松島・利府を歩く。

島巡りを楽しみながら被災体験を聞く

日本三景・松島。大型バスが乗り付け、この日も多くの観光客が訪れていました。今回は、タレントの本間秋彦さんと一緒に、松島湾に面した松島町と利府町へ。

宮城県の情報番組やラジオで毎日のように顔を見る本間さん。「松島にはこの前買い物に来たよ。すごくおいしい海苔が売ってる店があってさ」と軽快に話します。

松島で観光と言えば、大小さまざまな島を巡る「島巡りクルーズ」が人気ですが、この日は、観光船の上で震災を経験した鈴木丈洋さんのガイドで「語り部クルーズ」を体験しました。

「島々が波の威力を弱めてくれたので、ここはほかの地域に比べて軽微な被害でした。震災後は『松島から宮城復興ののろしを上げよう』と1カ月後の4月29日から観光客の受け入れを始めました」。

うなずきながら耳を傾ける本間さん。「これまでたくさんの地域に行ったけど、被災の状況は全部違う。いろいろな語りを聞いて、番組で話したい」。

「私はすぐに観光客の方と瑞巌寺に避難しましたが、真っ黒な津波が島を乗り越えるのが見えたそうです」と鈴木さん。

震災を経た宮城で一緒に歩き続けること 次に訪れたのは、湾を見下ろす高台にある「石田沢防災センター」。災害時は建物内に450人、駐車場に2000人を収容でき、平常時は会議やイベント会場として使われます。

太陽光がたくさん入る木造の建物。大きな備蓄倉庫や耐震性貯水槽、自家発電設備を見ながら「これは知らなかったなぁ」と本間さん。「これから地元の人が集まる場になったらいいよね。いつも行ってれば、いざという時あそこに逃げるんだ!ってすぐに観光客の人を誘導できるから」。

縁側を広くとったり、仕切りやすい部屋割りにしたり、大人数が避難することを想定してさまざまな工夫をしています。

最後に一行は平成29年の夏にオープンしたばかりの「MOLA MOLA CAFE」へ。海が見える場所にカフェを開きたいと、オーナーの末永統海さんがあちこち探し回ってようやく開店させました。

「毎日きれいだなぁって海の写真ばっかり撮ってます。地元の人も、遠くの人もコーヒー片手に海を見て、話したり本読んだり、好きに過ごしてほしいんですね」と末永さん。

本間さんも「お年寄りがカフェにいるのかっこいいからなあ」とうなずきます。 震災後、避難所の人が楽しく運動できるようにと、方言のラジオ体操を作り、あちこち回っていた本間さんですが、「被災した人たちに寄り添うっていうのはちょっと違うと思ってる」と話します。

海のそばだからできることをしたいと末永さんは熱く語ります。

「ぼくは石巻の実家を流されたから、家を流された人の気持ちは分かるかもしれない。でも、家族を流された人の気持ちは、きっと本当の意味では分からない。だから簡単に、気持ちに寄り添うって言いたくないんです。自分の役目は、ちょっと前か後ろにいて、ここおもしろいから来てみなよ、って言うとか、元気出してよって背中押すとか、そういうことだと思ってる。いつも地元にいるタレントとして、そういう立ち位置にいたいと思ってます」。 執筆 沼田佐和子

 

本間 秋彦

1961年、宮城県牡鹿町(現石巻市)生まれ。宮城弁のラジオパーソナリティとして人気を集めるほか、テレビの情報番組で長年司会を務める。震災後は、宮城の方言でラジオ体操をする「おらほのラジオ体操」プロジェクトに参加し、話題を集めた。