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復興取材レポート

まちのパワーに惚れ込んで。移住ガールズ「Pen.turn」 根岸えまさん

「Pen.turn女子」のメンバー。それぞれが地域で仕事をしながら、祭りやイベントにも参加し、地域の魅力を発信しています。

「こういうカッコいい大人と一緒に働きたいと思ったんです。不安はなかったです。ワクワクだけ!」。

根岸えまさんは、東京生まれ東京育ち。東京の大学に通っていたとき東日本大震災が起こり、ボランティアで初めて気仙沼を訪れました。

「まちがひとつ消えるってどんな状況なのかな、と思って来たんです。

その時は、がれき撤去のお手伝いをしたり、地域の運動会に参加したりしました」。いろいろな人に接するうちに「まちのパワー」のようなものを感じ始めたと言います。
「まちのことを自分ごとみたいに考えて、ここをどうにかしなきゃ、ここから何か始めようという人たちを見て、私も住んでみたい!って。1年間休学して、留学する代わりに気仙沼に来たんです」。

自分の経験を活かし移住や次世代育成の取り組みを

「気仙沼のおもしろいところは、外から来たヨソモノを受け入れる文化があるところです。遠洋漁業の基地として発展したまちだからだと思うのですが、懐が深いように感じています。私が住んでいる唐桑地区は、海で海外とつながっているんです。遠洋漁業の漁師さんの家に遊びに行くと、海外のブランデーが並んでいたり、はく製があったりする。性格もラテン系の人が多くて」。
根岸さんは、1年間大学を休学して唐桑地区で活動し、卒業後、唐桑地区に移住。「一般社団法人まるオフィス」の立ち上げメンバーとして、気仙沼地域全体を盛り上げる事業を行っています。

現在根岸さんが関わっている事業は大きく分けて二つ。一つは、気仙沼市に移住する人を増やす取り組みです。

「移住・定住に興味がある人を支援したり、空き家バンクの役割を担ったりしています。私のように震災時に気仙沼にボランティアに来ていた人などを集めて、東京で交流会を開催することもあります。気仙沼に縁がある人のきっかけづくりをしたいと思っています」。
もう一つは、地元の中学生、高校生を対象とした漁師体験事業。この取り組みは、漁師さんの言葉から始まったそうです。

「以前は、観光客向けのブルーツーリズムを行っていたのですが、それに協力してくれていた漁師さんが『実は、おれたちが本当に教えたいのは、地元の子どもたちなんだよ』ってつぶやいたことがあって。そういえば、気仙沼に住んでいても、漁師が実際にどういうことをやっているか、知らない人がいっぱいいるんですよね。次世代に漁師の仕事を継承したいという気持ちを、お手伝いしたいと思いました」。

地元の学校に告知し、月1回漁師体験を実施。2年たち、「漁師になりたい!」と話す子どもたちも出てきたと言います。

「今年は、漁師を目指したいと思う子を対象に、もう少し専門的なことも学べる『漁師の特進クラス』をつくろうと思っています。私は移住をきっかけに漁師さんのおもしろい話を聞く機会がありましたが、そうでない人もたくさんいます。漁師さんの生活を、地元の子どもたちに知ってほしいですね」。

地元の中高生に向け、漁師体験や農家体験などを行う「地域”協”育」のワンシーン。

根岸さんは、同じく唐桑地区に移住してきた女子たちと一緒に「Pen.turn女子」というグループをつくりました。

Pen.turnとは、半島を意味する「Peninsula」と、移住を意味する「Iターン」を組み合わせた造語。遠洋漁業の漁師が建てた古民家、通称「唐桑御殿」をシェアハウスとして活用しながら、気仙沼や唐桑地区のおもしろさを発信しています。

岸さんがはじめて唐桑に来た時に宿泊し、今も「第二のオフィスです」と話す民宿「つなかん」。

「私は、気仙沼を支える『活動人口』を増やしたいと思っています。移住するだけじゃなく、東京にいてもどこにいても、気仙沼のために関わってくれる人を増やしたい。漁師町ならではの原風景や力強さを、発信していけたらいいなと思っています」。

移住ガールズ「Pen.turn」/一般社団法人まるオフィス
根岸 えまさん
1991年東京生まれ。2015年に大学卒業後、気仙沼市唐桑に移住した。SNSやブログなどでも、唐桑の人々の表情や移住女子の毎日を発信中。