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復興取材レポート

【NOWIS.復興インタビュー】ロクファームアタラタ 高橋由志郎さん(第1回)

宮城県名取市で6次産業化〈=1次(生産)×2次(加工)×3次(販売)〉や雇用創出に力を入れている商業施設「ロクファーム アタラタ」。
今回はロクファームアタラタを運営するプロジェクトで理事を務める高橋由志郎さんを2回にわたってご紹介します。

6人の力をあわせてスタート

アタラタのオープンは、平成25年9月。
もともと1次産業生産者の6次産業化を推進するマルシェを通じて知り合いだった、建築・不動産・飲食・コンサルティング事業などを営む経営者6人の手によって動き始めました。

「実は、震災前までは横のつながりは決して深くはなかったんです。しかし震災直後、全国からいただいた物資を被災地に運ぶ活動を一緒にやる中で関係を深めていきました」と高橋さんは話します。

支援活動を続ける中で、被災地には新たな産業や雇用が必要だと感じるようになったそうです。

「6人で最大限のことをやってみよう」と、それぞれの専門分野を活かしながら6次産業化や雇用を推進する施設づくりが始まったのです。

震災後の問題を解決
アタラタでは、6次産業化・雇用・福祉・防災をテーマに、蕎麦屋・パン屋・レストランの3店舗の飲食店のほか、料理教室やミーティングなどに使えるスタジオ、その向かいにある野菜畑を障がい者を含め60人ものスタッフで運営しています。

震災後、まず目についたのが一次産業への被害でした。
特に沿岸部では、津波によって農地や漁港などが甚大な被害を受け、復旧してからも販路が回復しないなどの問題を抱えていました。

これを救うため、6次産業化の方式で何かできないかと考え、被災地で生産した農産物や水産物、施設内の畑でとれる食材をレストランで調理して出すことにしました。

また、障がい者の雇用も目を向けなくてはならない問題だと考え、自立支援という形で障がいをもつスタッフを採用し、育成することにしました。

「彼らには、畑での野菜づくりや施設のメンテナンス、厨房での調理などをお願いしています。
障がいのあるスタッフも健常者同様に適材適所で、得意なことを見つけて伸ばしていく形で働いてもらっています。県外から移住して、働きに来ているスタッフもいますよ」。

今回の震災の経験を活かし、防災への備えもしています。
その業態が蕎麦屋とパン屋だったという高橋さん。
「粉と水があればできるものを、ということで常に災害に備えた形態を取っています。被災しても人々が3~4日しのげるよう粉と水を備蓄し、火をおこせる石窯も整えています」。

第2回へ続く

高橋 由志郎
宮城県石巻市出身。
大学卒業後、イベント・広告制作会社に勤務し、東北を中心に数多くのイベントプロデュースを手がける。平成22年に島田昌幸氏と共に株式会社ファミリアを立ち上げ、専務取締役として6次産業創出のためのコンサル事業を手がける。震災後は6次化産業を柱に復興事業を進めている。