みやぎ復興情報ポータルサイト
宮城県
復興取材レポート

【NOW IS.復興インタビュー】南三陸ホテル観洋の女将 阿部憲子さん(第2回)

南三陸ホテル観洋の女将、阿部憲子さんのインタビュー2回目(第1回はこちら)です。南三陸の名物への想い、観光に対するおもてなしの心をご紹介します。

南三陸に新名物誕生「キラキラ丼」

「南三陸を新たな名物料理で盛り上げたいと思って誕生したのがキラキラ丼です。2008年宮城県初のディスティネーション・キャンペーン(通称:DC)をきっかけに食で町おこしをしたいと考え、2009年に町の飲食店の方々に呼びかけを行いました」。

地域の飲食店でも作りやすいように丼ぶりという形式にし、また、丼ぶりだとどうしても男性的なイメージが強くなるので女性や若い人にも関心を持ってもらいたいという思いから、『南三陸キラキラ丼』になりました。

「海のキラキラ、太陽のキラキラ、人々の表情がキラキラ…そういった意味が込められたネーミングです。その結果、このキラキラ丼は大成功し、あっという間に年間で45,000食が出るほど人気になり、雑誌にも掲載され、多くの方に召し上がっていただけました」。

さらに季節毎に食材の旬もあり、リピーター化も意識し、春には「南三陸キラキラ春つげ丼」、夏は「南三陸キラキラうに丼」、秋は「南三陸キラキラ秋旨丼」、冬は「南三陸キラキラいくら丼」が生まれました。

「震災後には、さんさん商店街をはじめ、南三陸の各地にいろいろな人が観光や視察に来るようになりました。支援に来てくださった方々に海の幸を召し上がっていただきたいという想いは、『南三陸キラキラ丼』をもう一度復活させて復興の原動力になりました。震災前から話題になった町おこしの取り組みでしたので、混乱の中でもうまく提供を再開できたのだと思います」。

観光の手助けツール・「南三陸てん店(てん)まっぷ」


「震災後たくさんの人が町に来てくれるようになり、商店街が多くの人によってにぎわう一方で点在している店舗はほとんど気付いてもらえないことが気がかりでした」。

どうしたら点在するお店にも足を運んでもらえるかと考え、地域の観光案内マップを作ることになりました。
「マップを手にした人が「転々」と南三陸町内を巡れるよう願いを込めて作られたマップが『南三陸てん店まっぷ』です。現地に来られた方が、ガソリンスタンドを探すなど現地で困りそうな点にも着目し制作が進められました」。

2013年に『南三陸てん店まっぷ』が完成し、現在も改版を重ねながら、毎年継続して発行しています。
結果的に、観光だけでなく、地元の方々が馴染みのお店の再開を知るきっかけにもなりました。

「『第1回観光王国みやぎおもてなし大賞』も受賞し、マップは多くの方に親しまれています。これからも私たちは観光や視察に来てくださる皆さまを地域を挙げて、真心でお迎えしたいと思います」。

阿部 憲子 あべ・のりこ
南三陸ホテル観洋女将。1962年5月3日生まれ。気仙沼市出身。「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」と「人気温泉旅館ホテル250=五つ星の宿」に選出。震災後は、震災伝承や復興まちづくりにまつわるシンポジウムなどで講演活動も行っている。