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宮城県
復興取材レポート

【NOW IS.トピック】水害を教訓にマップ作り

平成27年9月の宮城豪雨で浸水した大崎市古川の高倉地区で、高倉小学校の5、6年生16人が被災した現場を歩き、防災マップ作りに取り組みました。この取り組みは、東日本大震災の教訓を今後の備えに生かすための防災ワークショップ「むすび塾」の一環として、日本損害保険協会の安全教育プログラム「ぼうさい探検隊」を活用し、平成28年9月28日開催されました。

高倉地区は、大崎市古川南部の田園集落で、約350世帯、約1200人が暮らしています。南に鳴瀬川、北に支流の渋井川や多田川などが流れており、大雨が降ると増水しやすい地形にあります。平成27年の豪雨では、渋井川と名蓋川(なふたがわ)が各3カ所で決壊し、北側を中心に浸水しました。浸水被害は床上15棟、床下27棟、田畑が大規模冠水に及び、住民6人がヘリコプターで救助されました。

児童たちは4人ずつの4班に分かれ、まずは地区の被害にあった住民宅へ訪問。当時の被害状況や対応などを質問しました。
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訪問宅のひとつである北谷行政区長の家では、毎年起こる川の増水に備えて、消防団と土嚢を作り備えていましたが、決壊の予測はしていませんでした。「周辺を巡回し安否確認をしていましたが、深夜12時くらいは足のくるぶしまで、4時にはひざ下くらいまで水がきました。自宅は無事でしたが、近くの住宅では畳の上約50㎝まで浸水したところも。車はすでに使えず、もっと早い段階で避難を検討すればよかった」と当時の状況を語り、子どもたちはメモを取りながら聞き入っていました。

他の住民からは、警戒していた多田川ではない名蓋川が決壊し、予想外の方向から水がきたことや、夜中の災害は情報があまり入らず、暗くて水と道の区別がつかないため、2次災害が心配で避難ができなかったとの証言もありました。

訪問後は冠水被害などを受けた地域周辺を探索。この地区の水田沿いの道路は、ガードレールが少なく側溝との区別がつきにくいところが多くあります。そういった危険と思う場所や用水路の土嚢、防災無線の位置などを、写真を撮影し、地図に書き込んでいきました。
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学校に戻った子供たちは、大型地図に浸水範囲や住民の証言、危険個所の写真やメモを貼り、水害の危険性を分かりやすく作成し発表。水害時の危険性を問うクイズもあり、命を守る避難の在り方について理解を深めていました。

参加した子どもたちは「自分が住んでいる地区なのに、知らないことが多く、危険な場所などを再発見できた」、「大人になったら、もっと防災に取り組みたい」など、災害に対する考えを新たにしていました。
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一般社団法人 減災・復興支援機構の木村拓郎理事長は、「水害は毎年同じところが浸水するとは限りません。予想外のところから起きる可能性があるので、早めの避難が大事です。早く逃げて!と声がけをして、いち早く高い所に避難しましょう。避難して被害が少なくても、無事でよかったねと大人に話してほしい」と説明していました。
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自分たちの住んでいる地域で、どのような水害が想定されているかを知るには「洪水ハザードマップ」で確認することもできます。浸水する範囲や程度、避難場所を示した地図を認識し、事前に備え、災害時に正しく行動できるようにすることが大事です。こういったプロセスは、災害の種類を問わず同じです。

防災意識・知識を持った子どもたちを育てるとともに、地域の大人も一緒になって防災について再確認していくことが大切です。

【むずび塾とは】
東日本大震災の教訓を今後の備えに生かすため、河北新報社が開催する巡回ワークショップ。「いのちと地球を守る」キャンペーンの一環として、平成24年5月から月1回、町内会や学校、企業などで開催しています。
目的は、対談を通して震災時の教訓や減災・防災への備えを、あらためて考えなおすこと。
ワークショップの様子は、河北新報誌面でも公開し、防災や復興への行動を後押ししています。

これまでの「むすび塾」の記事は河北新報社のwebサイトでご覧いただけます。
http://www.kahoku.co.jp/special/bousai/

【日本損害保険協会の「ぼうさい探検隊」とは】
「ぼうさい探検隊」は、日本損害保険協会が2004年に始めた事業です。防災教育の取組みの一環として、子どもたちが楽しみながら、まちにある防災・防犯・交通安全に関する施設や設備などを見て回り、身の回りの安全・安心を考えながらマップにまとめ発表する実践的な安全教育プログラムです。