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復興取材レポート

【NOW IS.トピック】新旧住民、津波を想定し避難訓練

東日本大震災で15メートルの津波に襲われた南三陸町歌津町寄木地区では、およそ8割の家が流され、3名の住民が犠牲となりました。
その寄木地区で、平成29年2月28日、日本大震災の教訓を今後の備えに生かすための防災ワークショップ「むすび塾」が行われました。

まず行われた避難訓練には、震災後、この地区にできた観光牧場「さとうみファーム」のスタッフ3名と、震災前からこの土地に暮らす5名の地元漁師、そして当日わかめ収穫ボランティアで歌津に来ていた愛知学院大学の学生6名が参加。
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午後1時、地震発生とともに大津波警報が出されます。それから10分後、揺れが収まったところで、避難の開始です。10メートルの津波がやってくるという想定のもと、浜から離れ、15メートルの高台まで走って避難します。東日本大震災では、この高台のすぐ下まで津波が押し寄せ、家々をさらっていきました。
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訓練とはいえ、真剣に走った地域住民と学生のみなさんは、息も絶え絶え。それでも「これまで、地震の避難訓練といえば机の下にもぐって…というものばかりで、津波の避難訓練はしたことがありませんでした。名古屋も、南海トラフ地震の心配があるので、このような避難訓練の必要性を感じましたし、地元に帰ったらこのことを家族や友人と考えたい」と話してくれました。
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浜での避難訓練の後は、場所を集会所に移しての話し合いです。ここでは、8人の地元住民と他県から移住してきた「さとうみファーム」の従業員2人、そして防災の権威である東北大学災害科学国際研究所の邑本俊亮教授と安田真理助手が参加しました。
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参加者は、東日本大震災から6年という年月が経過しようとしていることに対して「語り部をしているが、来る人の数が少なくなったところに風化を感じる」「茶飲み話では必ず震災のことが出るから、地区内では風化していない」などといった意見が出されました。

そして「チリ地震の津波を経験しているから、この地区の住民は意識が高い。東日本大震災の前から、地区では避難場所が決めてあった」「子どものころから、地震が来たら高いところに逃げろと言われ続けてきた。自分も子どもや孫にそう伝える」と住民が話すと、邑本教授は「意識の高い地区で、みなさん今もしっかり備えているのがわかりました」と、コメント。

およそ2時間の話合いは、ガソリンの備蓄や普段飲んでいる薬を災害時にどうするか…などの課題もあがり、より高い防災意識へとつながっていくものとなりました。
東日本大震災から6年。自身の暮らす地域や、家庭での備えについて、改めて家族と話すことが大切です。

【むずび塾とは】
東日本大震災の教訓を今後の備えに生かすため、河北新報社が開催する巡回ワークショップ。「いのちと地球を守る」キャンペーンの一環として、平成24年5月から月1回、町内会や学校、企業などで開催しています。
目的は、対談を通して震災時の教訓や減災・防災への備えを、あらためて考えなおすこと。
ワークショップの様子は、河北新報誌面でも公開し、防災や復興への行動を後押ししています。

これまでの「むすび塾」の記事は河北新報社のwebサイトでご覧いただけます。
http://www.kahoku.co.jp/special/bousai/