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復興取材レポート

【震災遺構】~千年先の子どもたちのために~「岩沼市千年希望の丘」

東日本大震災により発生した津波で、市面積の約48%が浸水した岩沼市。津波被害を受けた沿岸部、仙台空港のすぐ近くに整備されているメモリアルパークが「千年希望の丘」です。

かつては多くの人の暮らしがあった地域に、既存の丘を含め15基の避難丘を造成。その丘と丘を結ぶ園路に植樹することで、成長した木々が津波の威力を分散・減衰する「緑の堤防」をつくる計画です。

2018年3月末時点で14基の丘が完成。2013年から始まった園路への植樹活動も、ボランティアの皆さんの協力で約30万本が植えられ、計画は終盤を迎えています。植樹された木々は約15~20年で立派な森へと成長し、千年先まで子どもたちの未来を守る盾の一つになる予定です。

「千年希望の丘」は、東日本大震災前に515世帯・1784人が暮らしていた「相野釜(あいのかま)」「藤曽根(ふじそね)」「二野倉(にのくら)」「長谷釜(はせがま)」「蒲崎(かばさき)」「新浜(しんばま)」の6つの地区を活用して整備。もともとの地名は「千年希望の丘」の公園名として残されています。

海岸沿い約10kmにわたる広いエリアですが、最初に訪れておきたいのが「相野釜公園」にある「千年希望の丘 交流センター」。ここでは震災・復興状況のパネルや写真の展示のほか、震災当時の様子や震災伝承活動、植樹活動の様子などをまとめた動画も上映。震災後初めて岩沼市を訪れた人でも、その被害状況や復興への取り組みを詳しく知ることができます。

センターの正面にある多目的広場の奥には、慰霊碑と献花台、中心には津波が遡上した水位と同じ高さの塔が建てられています。

さらにそこから見えるのが避難丘。震災瓦礫を用いて造成されたこの丘は、非常時には一時避難場所となるほか、幕を下ろすとテントになる東屋や非常電源にもなるソーラー照明、かまどとして利用できるベンチなど、さまざまな機能が備わっています。

園内には、津波で流失した住宅の基礎や壊れたブロック塀など暮らしの痕跡を残す場所や、被災前の風景をイラストで伝える看板も。現在は緑が一面に広がる美しい公園ですが、そこには確かに人々の暮らしがありました。そのすべてが失われた今、この地は津波の脅威や教訓などを伝える一方で、千年先まで命を守る希望の丘となっています。

震災伝承や防災教育の場として活用される「千年希望の丘」ですが、散策やランニングを楽しむ人も多く見られます。近くにはバーベキュー広場や大型遊具を備えた「岩沼海浜緑地南ブロック(ジュニパーク岩沼)」や、かわいらしい羊がお出迎えしてくれる「いわぬまひつじ村」などもあるので、ぜひ気軽に足を運んでみてください。

 

【岩沼市千年希望の丘】
住所:岩沼市下野郷字浜177
電話:0223-23-8577(交流センター)
https://sennen-kibouno-oka.com/