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復興取材レポート

【宮城発!元気と食の最新情報】 若者と地域が共に挑戦を続けられる生態系を目指して

一般社団法人ワカツクはインターンシップ事業、若者支援事業、復興支援事業を柱に、若者たちの「問題解決」への挑戦を支援している団体です。

「若者が成長できる東北」を目指して、地域の産官学民をコーディネートし、これまでに地域のNPOや企業に、5,000人以上の学生や若者をマッチングしてきました。

ワカツクというネーミングは「若者と共に地域を創るプラットフォーム」の略称です。

ワカツクの前身の母体となった企業である「デュナミス」は、宮城大学の1期生が立ち上げた学生サークルでした。

渡辺一馬代表理事(左上)と一般社団法人ワカツク・コーディネーターの皆さん

その後、学生の卒業と共に法人化され、「学生の社会還元」を理念に、2005年からは東北大学経済学研究会地域イノベーション研究センターと協働で、長期実践型インターシップを開始し、地域内の学生と企業とを繋ぐコーディネート事業を行ってきました。

「一般的なインターンシップのイメージは、数日間から2週間程度での“見学・体験型”を想像すると思います。学生が企業のお客様として扱われ、本質的な業務には携われない事が多い形です。

弊社の“ワカツクインターンシップ”は6ヶ月間に渡る長期インターンシップです。受け入れ企業や団体が、直面している経営課題や地域の課題などにじっくりと取り組むことができ、責任のある立場で実践的に活動する事が学生には求められます。」と、代表理事の渡辺一馬さんが教えてくれました。

震災が起きた2011年の春から夏にかけて、全国各地から宮城県には多くの学生ボランティアが訪れました。

緊急時のフェーズであり、被災地は日々、人手不足という状況の中、一馬さん達はコーディネーターとして被災地と学生を結ぶ役割を担います。その時一馬さんには葛藤があったと言います。

「ボランティアのマッチングも確かに重要なミッションである事は認識していました。しかし、これから被災地では、一筋縄では解決できない課題を解決しなければならない時期が、近い将来に必ず来ると思っていたのです。」

その様な事を考えている時に、当時「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」代表理事だった故・加藤哲夫さんから「被災地では、これから課題が見えなくなってくる。本当の課題を見つけられる若者をどうやって育てられるかが鍵だ。」という言葉をもらいます。

そこから加藤さんとの対話を重ね、2011年7月12日に、一馬さんは一般社団法人ワカツクの設立に至ります。

緊急時のフェーズが徐々に落ち着いていく中、やがて被災地では、官民を問わず、様々な復興支援団体が立ち上がり、また地元企業も復興に向けて活動を再開していきます。

しかしマンパワー不足は続き、何より状況を打開してゆくアイディアも見えてきません。

そんな中で一馬さん達をはじめとするコーディネーター達は、支援団体へのインターンシップの導入に動きだします。

また、時間の経過に伴うボランティアや被災地情報の露出の減少・記憶の風化を見据えて、復興支援のプロジェクトを掲載する情報ポータルサイト「東北1000プロジェクト」を始動させ、「東北復興プロジェクトフェア」なども開催します。

「震災発生時から3年目ぐらいの時間まで、全国各地の学生達がインターンに参加してくれました。あの時期にインターンに参加してくれた大学4年生だった大学生も、今ではもう30歳となり社会で様々な活躍をしている年齢です。

あの時の学生たちが被災地で直面した“自ら課題を発見して解決できる力”が、これからの社会に、どの様に活用されていくかを楽しみにしている気持ちもあります。」

昨年度、ワカツクが関わった気仙沼市の水産加工会社とのインターンでは、被災地だけではなく、水産業界全体が早急に取り組まなければならない「水産資源管理」という、
大きな社会課題にも取り組みました。

インターン生は、漁業組合をはじめ、気仙沼市内の水産業の現場をまわり、現状の水産業を切り取った「あなたと海と生きていく」という映像作品を作成し、気仙沼市長を始めとした市内の有識者の前で発表を行いました。

「インターンに応募してくる学生は、最初は自分の持っているスキルが社会で通用するのかを、社会に出る前に試したいという気持ちの学生が多いです。当たり前の事ではあるのですが、社会の現場では簡単に自分の能力が活かせる訳ではなく、様々な壁や問題にぶつかります。

その時にインターン先の経営者の皆さんや担当者からのアドバイスで、問題解決の光が見えたり、課題の深い部分を考える事ができたりして、最後はお世話になった方々の“人間力”を学んでくる学生が非常に多いと思うのです。

東北の地域は事業継承の問題で苦しんでいる企業をはじめ、若者が地域にも企業にも定着しないために、事業を発展させる事が困難な中小企業も多々あります。だからこそ、地域内の各セクターをつなぎ、若者が挑戦できる環境を創り続ける事は重要なミッションであると考えています。

被災して東北が背負った課題は、日本や世界が数十年後に必ず背負う課題です。将来の社会課題を解決する人材が次々に輩出される東北を創るのが、ワカツクの役割です。」

ワカツクでは現在、復興庁事業である平成 30 年度「復興・創生インターン(夏期)」の参加者を募集しています。

このインターンは、被災3県の企業が抱えている課題に対し、経営者と協働して解決に取り組んでゆく実践型のインターンシッププログラムです。

約1か月間、学生同士で共同生活を送りながら就業体験を経験することにより、キャリア観の醸成や課題解決能力の向上を図ることを目的としています。この記事が気になった学生のみなさんはぜひ、ご参加ください!

 

〇一般社団法人ワカツク
http://www.wakatsuku.jp/

〇「あなたと海と生きていく」
https://www.youtube.com/watch?v=FEvdOm-w-YE

〇平成 30 年度「復興・創生インターン(夏期)」
http://www.reconstruction.go.jp/topics/main-cat1/sub-cat1-1/fukkosousei_intern/20170605094415.html

 

 

執筆者PROFILE
一般社団法人IKI ZEN 佐藤大樹