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復興取材レポート

【宮城発!元気と食の最新情報】幾多の試練を乗り越えて誕生した、石巻のこだわりキンキ

ダイショウ水産は2007年に創業した石巻市に本社を置く、キンキやマダラなどのチルド加工品を中心に製造する水産加工メーカーです。
震災前から、開きキンキや塩タラ、キンメダイ、メヌケ、赤魚の切り身や漬け魚などを、関西や首都圏のスーパーなどに出荷する業販を行ってきました。

東日本大震災では津波により加工場を流失。
そんな逆境にも負けず、社長の大堀勝さんは加工場を新設できる場所を探し出し、2013年に自己資金を投じて加工場を新設。
同年の3月から操業を再開しました。

ダイショウ水産には独自の加工技術があります。

その技術が“手切り”です。

オートメーションの機械を使用せずに、社員それぞれがマイ包丁で魚を捌くのです。
魚は旨味を引き出すために0℃前後での氷温熟成を実施。

加工品の調味料となる塩や味噌も、大堀さん自らが厳選したものを使用しています。
加工品はアルカリ水、酸性水で殺菌し、食の安全や衛生面にも気が配られています。

昨年、ダイショウ水産は業販用の商品以外に、新たな自社ブランド商品の開発を目指し、宮城県の『復興促進「商品づくり・販路開拓」支援事業(総合支援メニュー)補助金に係る補助事業』に応募します。

事業採択後、大堀さんは、様々な施行錯誤を重ねて、こだわりを詰め込んだ新商品を開発します。

その名も「伊達なきんき極」。

キンキはきちじ(吉次・喜知次)とも呼ばれる吉兆の魚として、ハレの日の御馳走に振舞われる縁起の良い魚。漁師たちからは海の“赤い宝石” と呼ばれています。

「伊達なきんき極」は、天日塩で漬け込んだ身の厚いきんきを地元産の「伊達な旨塩」で仕上げる2段階製法仕込みを施し、さらには石巻の地酒で開いた身に洗いを施しています。

「自分が本当に魚好きなので、お客さんに美味しい魚を食べてもらいたくて、どうしても効率よりも美味しさを最優先してしまうんですよね」と大堀さんが笑います。

商品の正式発売まで、大堀さんはテストマーケティングを兼ねたマルシェでの対面販売をはじめ、仙台市内の飲食店でのメニューキャンペーン、メディアでのプロモーション取材など、様々な新しい事にもチャレンジをしました。

「業販商品を取り扱っていた時とは違い、この商品開発がきっかけで、刺激的な新たな体験もたくさんできました。商品づくりに妥協はしたくないので、営業も忙しいのですが、自分も包丁を握って現場に立ちます。震災前に比べると燃料費なども上昇し、他メーカーとの価格競争なども厳しくなってきている状況ではあるのですが、皆さんに美味しい魚を沢山召し上がっていただきたいという変わらない思いがあります。6月から石巻市の中心部にオープンした観光施設『いしのまき元気いちば』でも伊達なきんき極の販売をはじめたので、ぜひ多くの方に石巻市に訪れてもらって、美味しい魚を食べてもらいたいですね!」

ダイショウ水産株式会社
http://daisho-suisan.co.jp/

 

執筆者PROFILE
一般社団法人IKI ZEN 佐藤大樹
食を中心に、宮城県の中小企業生産者の6次産業化や農商工連携・地域ブランディング等の支援を行うことを目的とし、平成27年4月に設立された一般社団法人。管理栄養士・6次産業化プランナーである代表理事を中心に、クリエィティブディレクターの理事らとブランディング・商品開発・販路拡大支援を行っている。
https://www.facebook.com/ikizenproject/