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復興取材レポート

【宮城発!元気と食の最新情報】地図の地名として残る“荒浜”ではなく、人々の思い出に残り続ける“荒浜”を目指して~荒浜のめぐみキッチン~(後編)

小山田陽さんがオフィスを構えるビル内にある「綴カフェ/ファィブブリッジ」は「荒浜のめぐみキッチン」五橋ベースの会場として活用されています。

昨年の9月に開催された『荒浜に体験型レジャー農園をつくろう』と題した実行委員会形式のブレストミーティングを皮切りに、『荒浜の新米を食べよう』、『荒浜のワタリガニと土鍋ごはん』など、渡邉智之さんが仙台市荒浜で育てた荒浜アグリパートナーズの農産物をはじめ、荒浜の漁師さんが捕った旬の海産物など、荒浜の食の魅力を楽しめるイベントを都市部にて行う事で、仙台の都市部に暮らす人々に荒浜の現在を伝えていく役割を担います。

1月に開催された『~餅つきと「あるもち米をめぐる物語」~』の回では、荒浜の農家さんの手によって育てられたもち米「ハツキネモチ」(40年以上前に開発され、今では育てる人がいなくなった昔ながらのもちもちした食感のもち米)と、現在の宮城のもち米の品種「ミヤコガネ」を、臼と杵でついての食べ比べが行われました。

五橋ベースでのイベントは、震災後、荒浜地区に足を運んていない人たちを呼び込み、“仙台都市部から荒浜への人の流れをつくる”大事なきっかけになっています。

「現在も地図の地名には“荒浜”は残っています。ただ、震災から7年という時間が経過した現在、荒浜地区と仙台の都市部をこれまで繋いできた“荒浜の思い出”に空白ができてしまったのはないか?と考える事があります。

ある一定の世代までは、荒浜で海水浴をした記憶とか、荒浜で遊んで過ごした楽しい思い出があるけれど、この7年間で全く荒浜での時間を過ごした事のない世代が生まれてしまったと思うんですよね。

小山田さんと始めた、この荒浜のめぐみキッチンの活動が、荒浜を訪れる人にとっての思い出を生み出すきっかけになっていってくれると嬉しいなと感じています。」と渡邉さんは優しく、前を見据えた強い眼差しで話してくれました。

そして、平成30年3月末、「荒浜のめぐみキッチン」は仙台市集団移転跡地利活用に係る事業者候補において、荒浜ブロックの事業候補者に選定されました。

「農と食を核とした体験学習」をコンセプトに仙台都市部から一番近い津波被災地のひとつ「荒浜」で、農業・食・地域文化・自然・防災といったキーワードを軸に、ファミリー層から幅広い年齢層の観光客、企業の研修等にも利用される体験型の学習プログラムを提供してゆく予定です。

2人は決意を持って、コメントを出しました。

「仙台市東部沿岸部の防災集団移転跡地利活用事業にて、荒浜ブロックの事業候補者として選定いただきました。被災地であることを含め、深い歴史をもつこの土地に経緯を払い、お住まいだった方々や、この地に関係の深い方々のご協力をいただきながら、文字通り地に足をつけてしっかりとこの地と向き合いたいと思います。」

仙台市荒浜の農家、渡邉智之さんと、建築家/デザイナーの小山田陽さんの会話から生まれたプロジェクト「荒浜のめぐみキッチン」。

7年間の空白を埋めてゆく、荒浜での新たな思い出づくりを創出してゆきます。

 

荒浜のめぐみキッチン
http://www.sendai-c3.jp/projects/megumi-kitchen/
荒浜の恵みキッチンFB
https://www.facebook.com/arahama.megumi
荒浜のめぐみキッチンFBグループ
https://www.facebook.com/groups/1724348101189935/

 

執筆者PROFILE
一般社団法人IKI ZEN 佐藤大樹