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復興取材レポート

【宮城発!元気と食の最新情報】再び時を刻み生まれ変わる名取市のJAZZ喫茶

全国からJAZZファンが訪れ、名取市下余田地区の方々にも愛されてきた老舗のJAZZ喫茶「JAZZ in パブロ」。

店主の玉田國昭さんは、震災の津波で犠牲となり、震災以降、お店は静かに時の流れを止めていました。
あの震災から6年後、何かに導かれるように、このお店と出会い、新たに息吹を吹き込もうと動き始めた30代の若者がいます。

新たにオーナーとなる村上辰大さんは、自転車ロードレースの出場経験もあり、7年前には映像制作会社を設立。
世界規模のダンスイベントでDJとしても活躍する宮城県在住のクリエイターです。
若い頃から旅が好きで、サンフランシスコで訪れたカフェに感銘を受け、いつか40代になったら、オフィス兼カフェを自分でも開業したいと思っていたそうです。

村上さんは、その夢を仙台で雑貨屋兼アトリエを開いている半澤由紀さんに打ち明けます。
村上さんの夢を聞いた半澤さんは、「JAZZ in パブロ」の事を村上さんに伝えます。

半澤さんは名取市閖上(ゆりあげ)出身で、玉田さんのご子息と幼馴染の間柄でした。
玉田さんの奥様である郁子さんとも度々、連絡をとりあっていたそうです。

村上さんと半澤さんは、お店の内見と郁子さんのお話しを聞くためにパブロを訪ねます。
玉田さんは若い頃は、東京でカメラマンをやっていて名取市へと戻り、家業を手伝いながら、「JAZZ in パブロ」をオープンさせたそうです。

2人がお店を内見した時、お店には玉田さんが愛用していた自転車が飾られ、1000枚を超えるレコードコレクション、音質にこだわったオーディオシステムが、震災時のまま時をとめていました。

玉田さんが歩んできた道を聞いた、村上さんと半澤さんは、この地で新たな挑戦をしてゆく事を決意します。

村上さんと半澤さんが手がける、新生パブロのコンセプトは“COFFEE & SESSION”。

「ご近所さんがゆっくりとコーヒーを楽しめて寛げる場所として、日々の暮らしの中で“美味しいコーヒーとゆっくりできる空間”を提供していきたいと考えています。コーヒーメニューは店長の半澤が厳選した豆を使用する他、パブロで玉田さんが出していたコーヒーも『オールドパブロ』のメニュー名で、再現していきたいです。」

「故オーナーが大切にしてきたものに最大の敬意を払い、僕と店長のフィルターを通して、良いものを届けていきたい。ジャンルを超えて音楽を楽しみ、コミュニティやカルチャーが集まる、自然体で楽しみながら繋がれる場にしたい。僕がサンフランシスコで受けた衝撃のように、“ワクワクする場所”にしたいです。」

『COFFEE & SESSION PABLO』は10月22日にプレオープンイベントとして、ダンス業界としては前例のない映像展「365映像展示会」を開催後、12月1日の本オープンを目指します。「JAZZ inパブロ」の、止まっていた時計の針とターンテーブルが再び動き始めました。

『COFFEE & SESSION PABLO』
宮城県名取市下余田字中荷630-8

 

執筆者PROFILE
一般社団法人IKI ZEN 佐藤大樹

食を中心に、宮城県の中小企業生産者の6次産業化や農商工連携・地域ブランディング等の支援を行うことを目的とし、平成27年4月に設立された一般社団法人。管理栄養士・6次産業化プランナーである代表理事を中心に、クリエィティブディレクターの理事らとブランディング・商品開発・販路拡大支援を行っている。