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復興取材レポート

【宮城発!元気と食の最新情報】港町しおがま本町を照らす小さな灯台

港町である塩釜市に、異国情緒に溢れる一風変わった、オリエンタルな居酒屋があります。

お店の名前は「東洋の場末の酒場 さらい」。

今年で開業15年を迎えた「さらい」は、同市の尾島町で営業をしていましたが、震災では津波により被災。
震災後に本町へと店舗を移し営業を続けてきました。

「さらい」の最大の特色は、店主の櫻井久則さんの幅広い人脈が、お店に訪れる様々な業種の人々を緩やかにつないでいき、塩釜から何かを生み出してゆくきっかけやコミュニティが出来上がる事。

それは元々、船乗りとして諸外国を訪れた経歴を持つ、櫻井さんのコミュニケーション能力の高さがなせる業なのかもしれません。

お向かいの壱番館にて、オーダーメードで靴のインソールを制作し、商店街活性化事業で「しおがま本町ゼミ」を主催してきた「ラ・ムスタッシュ」の店主の只野敏雄さんは、このお店の長年の常連客。

「特に用事があるわけではないんだけど、毎日のように仕事終わりに寄ってしまうんだよね~」と言います。

「ラ・ムスタッシュ」只野敏雄さん                   「さらい」櫻井久則さん

「さらい」の持つ不思議な磁力は、国内外の著名ミュージシャンや文化人、トップアスリートをも引き寄せます。

取材当日は、夢メッセみやぎで開催した「ピーター・アーツスピリット2017全国大会」の為に来日した、オランダの格闘家ピーター・アーツさんと大会事務局の皆さんが来店していました。

ピーターさんは日本の友人たちと、『ピーター・アーツスピリット』というプロジェクトを立ち上げ、自らの名前を冠にして、成人だけではなく、子供や青少年も参加できるキックボクシングのアマチュア大会を全国各地で開催しています。

昨年は、自分の目で復興の様子を見に行きたいとの想いから、石巻市の「万石浦中学校」と東松島市の「鳴瀬未来中学校」を訪れ生徒達と触れ合い、塩釜市では復興に向けて頑張っている、格闘技ファンや若いアスリート達に元気や勇気を与えたいと「ピーター・アーツナイトINマリンゲート塩釜2016」などのイベントを開催してきました。

このつながりも、櫻井さんとキックボクシング界で世界チャンピオンに輝いた経歴を持つ、仙台の「鷹虎キックボクシングジム」船木会長との長年の親交から生まれた交流のひとつ。

ピーターさんから、このブログの読者の皆さんに向けて、「(復興まで)皆さんがベストを尽くす事に期待しています!」との力強いメッセージまで頂きました。


櫻井さんは言います。
「塩釜だけじゃなくて、仙台市も含めて復興もインバウンドも宮城県全体で、まだまだやれる事は沢山ある気がして。既存のアイディアに凝り固まる事なく、世界には色々なお手本があるんだし、柔軟にやれる事は、どんどんチャレンジしていった方がいいと思う。それが、後に本当の意味での復興にもつながっていくんじゃないかな。」

今日も港町の片隅で、小さな灯台の様な存在の店主が、異国情緒にあふれた創作料理と宮城の地酒を振舞い、東洋の場末の酒場「さらい」は、常連客の笑い声で包まれます。

 

東洋の場末の酒場 さらい
住所:宮城県塩竈市本町2-4
営業時間:18:33~22:33
定休日:日曜、不定休

 

ピーター・アーツスピリット
http://peteraertsspirit.jp/

 

執筆者PROFILE
一般社団法人IKI ZEN 佐藤大樹

食を中心に、宮城県の中小企業生産者の6次産業化や農商工連携・地域ブランディング等の支援を行うことを目的とし、平成27年4月に設立された一般社団法人。管理栄養士・6次産業化プランナーである代表理事を中心に、クリエィティブディレクターの理事らとブランディング・商品開発・販路拡大支援を行っている。